こんな翻訳学校がおすすめ!学校選びに失敗しないための10のチェックポイント

翻訳者になるために、多くの方が翻訳学校を利用されると思いますが、何をポイントに翻訳学校を選べば、「こんなはずではなかった・・・」と後悔することなく、より確実にプロの翻訳者になれるでしょうか。

この記事では、翻訳学校について解説した後に、翻訳学校を選ぶ際に検討すべき「10個のチェックポイント」について実務翻訳者の立場からお伝えしたいと思います。

こんな翻訳学校がおすすめ(総論)

翻訳者になるまでの「具体的なプロセス」を「実績」を元にきちんと見せて、ただ甘い言葉で誘うのではなく、耳に痛いこともきちんと言ってくれる翻訳学校が、誠実でおすすめです。

翻訳は簡単ではないことを伝えているか

翻訳学校の中には、「誰でも」「簡単に」「年収1000万円稼げる」などのキャッチ―な広告で生徒を集めているところがあるかも知れません。

しかし、プロの翻訳者になるのは簡単ではありません。

トライアルに1件でも合格すればプロだというのなら話は別ですが、プロの翻訳者になるということは、それなりの年収を「安定的」に稼ぎ続けられることを普通は意味します。

そもそもプロとは、多くの人が到達できないレベルのスキルを獲得したからこそプロと呼ばれるのであり、それゆえにアマチュアと区別されるべきものです。

ですから、「1日30分の勉強でプロになれます」というような甘い言葉であなたを誘うのではなく、「翻訳は難しい」という耳に痛いこともきちんと伝えてくれる翻訳学校を選んで下さい。

翻訳の難しさに関しては、著名な翻訳家である山岡洋一さんの書籍「翻訳とは何か:職業としての翻訳」が非常に参考になると思います。

翻訳のありかた、歴史上の翻訳者の生涯から、翻訳技術、翻訳市場、現代の翻訳教育産業や翻訳学習者の問題点まで、総合的に「職業としての翻訳」を論じ、翻訳文化論を展開する。真の翻訳者とは何か、翻訳とは何か、を伝える翻訳学習者必読の一冊。

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そのことに触れた動画がありますので、ぜひ一度ご視聴下さい。プロへの道をショートカットできる魔法など存在しないということがよくご理解いただけると思います。

翻訳者になるまでのシナリオが描けているか

どれくらいの期間、どういうカリキュラムで学べばプロの翻訳者になれるのかという「シナリオ」が提示されていることが大切です。

具体的には、例えば、1.5年~2年の受講期間内に、トライアル受験のための「履歴書(CV)」が準備できて、翻訳に必要な調査方法やスキルを学べて、さらに実際の仕事に耐えられるだけの翻訳スピードも身についている。

だからトライアルにも合格できるし、その後、実ジョブの依頼が来ても、あわてることなく、きちんと仕事をこなしていけるというような「具体的な道筋・シナリオ」が見えていることが重要です。

とりあえず、初級→中級→上級クラスと順番に受講していけば、自然にレベルが上がっていって提携会社のトライアルを「特典」として卒業時に受験できる。そして、成績によっては翻訳者として登録される道がありますよと言うだけでは、漠然としていて不十分です。

実績が提示されているか

翻訳者としての実績があるか

受講生の中でどれくらいの人がトライアルに合格し、また、プロの翻訳者として安定的に稼げているのか、という具体的なデータがあると理想的です。

ですが、翻訳学校がそのような具体的な数字を出すことはないので、実績に関しては、各学校が出している「卒業生の声」を参考する他ありません。

しかし、仮に卒業生の声があったとしても「丁寧な指導でした」「色々と勉強になりました」「お世話になりました」という短いコメントだけでは、その人が本当に「翻訳者として稼げるようになったのか」判断することはできません。

ですから、できるだけその人の勉強履歴・トライアル受験の合否・実ジョブの経験数などがわかるような「具体的な内容」を掲載している翻訳学校がおすすめです。

卒業生の声

トライアル合格をゴールとしていないか

翻訳者になると決めて、それなりのお金と時間を「投資」していくのですから、それに見合う「リターン」を得られなけば、ただの「趣味のお勉強」に終わってしまいます。

そうならないためには、トライアルに合格するにとどまらず、長期にわたって仕事を受注し、「安定的に稼げる」ようになることが必要です。

例えば、受講料とパソコンや電子辞書等の学習環境に100万円投資した場合、プロの翻訳者になって年収500万円を20年継続し、トータル1億円稼げれば、投資に対して100倍のリターンが得られたことになります。

このように安定的にプロの翻訳者として稼働して、まとまった収入を得られることがゴールですから「トライアル合格」をさもゴールのように言っている学校には注意が必要です。

受講生・卒業生の生の声をオープンにしているか

受講を検討している人に提供される判断材料が不十分だと、 どうしても受講後に「こんなはずではなかった」「期待していたものと全然違う」と後悔することになってしまいます。

ですから、講座に関する情報を閉じたコミュニティでだけ共有するのではなく、広く「無料サンプル」「無料体験」「受講生・卒業生の声」などを通じて、誰にでもアクセス可能な状態になっていることが大切です。

できれば、実際に講座を受講している人に、所有ブログなどからアクセスして「本当にその講座はおすすめなのか」を質問できるようであればなお良いと思います。

翻訳者ブログ・受講生ブログ

こんな翻訳学校がおすすめ(教材)

紙の教材(テキスト)か動画か(1)

テキストの教材(紙に加え印刷可能なものも含む)だけしか提供されないのか、「動画」の教材も入手できるのかを確認して下さい。

なぜかというと、動画にはテキストの教材にはない「分かりやすさ」というメリットがあるからです。

例えば、実際のPC操作、各種ソフトの使い方のコツなどについては動画を使って説明しないとなかなか伝わりませんし、また、動画を見ながらノートを作成すれば実力アップにつながりますので、両者が揃っていることが大切です。

動画はダウンロード可能か(視聴期限の有無)(2)

講義がすべて録画され、「ダウンロード可能」になっていると、

(1)いつでも自宅で繰り返し視聴できて理解が深まる
(2)隙間時間を有効活用できる
(3)それぞれの学習ペースに対応できる

という3点において優れています。

いつでも自宅で繰り返し視聴できて理解が深まる

授業を欠席した場合などに備えて、「補講システム」があったとしても、視聴に「期間制限」が設けられていれば、その部分の講義を見逃してしまう可能性も出てきます。

けれども、動画データを自分のPCにダウンロードできれば、そのような心配は一切なくなります。

さらに、何度でも繰り返し視聴もできますし、動画を止めながらメモを取ったり調べ物をすることも可能となりますので、受講生の理解が深まるとともに、その利便性はかなり向上するはずです。

隙間時間を活用できる

スマホやタブレットなどが普及している昨今、ダウンロードしたデータをタブレット等に移して、 通勤・通学や昼休み等の「すきま時間」を翻訳の勉強のために有効活用することは、忙しい社会人にとってとても重要になってくるはずです。

完全マイペースで学習できる

講義の動画をダウンロードできると、受講生それぞれの学習ペースに完全に合わせられるというメリットがあります。

例えば、仕事や育児等でなかなか時間が取れないため、ゆっくり学習を進めたい方にとっては、期間制限を気にすることなく、いつでもご視聴いただけます。

逆に、ハイペースで一気に学習したいという方にとっては、週に1度の配信では遅すぎるという事態も避けられて、すべての受講生がマイペースで学習ができるようになるというメリットがあります。

十分な量の演習が用意されているか(3)

翻訳者は、 数千~数万ワードの長い文章を翻訳しなければなりませんので、一定の翻訳スピードが求められますが、そのスピードがプロの翻訳者になったからといって、急にあがることはありませんので、学習段階からそれを意識した演習が必要です。

言うなれば、マラソンで42.195kmを走るためには、練習段階でそれ以上の距離を走っておく必要があるのと同じように、翻訳についても、学習段階では本番と同じか、それ以上のスピードで処理できるようにしておく必要があります。

この点、翻訳学校が課す演習量としては、せいぜい数百ワード程度のところが多く、さすがにその演習量でプロの翻訳者に必要な翻訳スピードを身に付けることは困難です。

一般にプロの翻訳者に求められる処理量は、一日あたり平均約2000~2500ワードと言われていますが、これは単純計算で求めた数字であり実際の数字は少し異なります。

つまり、2000ワードという数字は、実ジョブに含まれるワード数(例えば2万ワード)を、仕事を受け取ってから納品するまでの日数(10日)で機械的に割ったもの(2000ワード)に過ぎません。

従って、事前調査や見直しの時間(2~3日)は日数には含まれていませんし、またフルに仕事ができない日もありますが、それらについては全く考慮されていません。

ですから、純粋に翻訳作業に割ける日数(7日)から計算すると、実際には1日3000ワード程度、トップスピードだと4000ワードが必要になる場合も出てくると考えられます。

その速度で翻訳できるようにしておかなければ、トライアルに合格して実ジョブの依頼が来たときに、いつも以上に訳の確定に慎重になり、どんどん時間だけが過ぎていき「納期に間に合わない!」とパニックになってしまうこともあり得ます。

最悪、期日に納品できなければ、翻訳会社のあなたへの信頼は失墜し、二度と仕事の依頼が来ることはなくなってしまうのですから、くれぐれもこの点を甘く考えないようにして下さい。

こんな翻訳学校がおすすめ(指導)

ITスキルについて(4)

翻訳業には高度なITスキルが必要です。

Tradosなどの翻訳メモリソフトの習熟に加え、今後はMT(機械翻訳)ソフトも連動して使うスキルが必須となってくるはずです。

さらに、マクロ処理、辞書引きテクニック、コンコーダンサーを活用した表現抽出技術、校正ソフトの活用テクニックなど学ぶべきことはたくさんあり、これらのソフトを連動させて実ジョブを処理する方法を習得していかないと、これからの翻訳業界では恐らく生き残っていけないでしょう。

【PCを使った翻訳スキルについて】

ただ、これらのITスキルを実際に翻訳業務で活用できるようになるためには、「相当量の演習時間」と「プロの経験に基づくノウハウの提供」が本来必要なのですが、それに対して時間を割いている翻訳学校がほとんどなく、各人の努力に任せてしまっているのは、少々残念でもあり無責任のような気がします。

では、自力でITスキルを身に付ける自信がないからと、パソコン教室で学べばよいかというと決してそうではなく、あくまでも「翻訳業務に関連した使い方」をマスターする必要がありますので、そのような利用の仕方は、残念ながら現実的ではありません。

【電子辞書や翻訳ソフトについて】

翻訳者として仕事をしていくために、どのような辞書やソフトが必要なのか分からない方が多いと思いますので、

  • どの辞書をどの順番で揃えるべきか
  • 電子辞書で十分か、紙の辞書も必要か
  • 辞書検索ソフトはどれを使えばよいのか
  • 翻訳ソフトはTradosなのかMemoQなのか
  • それぞれをどのように組み合わせていくのか

などについて、きちんと指導できているかどうかを受講前に確認して下さい。

(2019年8月に収録された動画です)

さらに、実際に揃えた辞書やソフトの活用方法に関しては、長年使い込んだ人だけが知っているノウハウがありますが、それを自分の力でイチからマスターしていては時間も手間もかかりますので、短期間でそれらを伝授してくれる講座が理想的です。

専門知識について(5)

【理系の基礎知識等も学べるか】

実務翻訳においては、翻訳を行う前提としてまず「内容の理解」が必須です。

そのような内容の理解がなかったり、不十分なまま翻訳をしてしまうと「誤訳」に繋がる恐れがあるため、文脈を読み取れるだけの「専門知識」が必ず必要です。

では、その専門知識をどうやって獲得すればよいのでしょうか?

「大学受験用の参考書」や「ネット教材」を使えばよいのかというと、大学受験とは用途が異なるため、いずれも「帯に短し襷に長し」で、翻訳者が専門文書を読み解くための教材としては、必ずしも効率的ではありません。

ですから、 あくまでも「翻訳のため」に必要な専門知識の習得に特化したカリキュラムが必要です。

さらに、ここまでの知識は必要だけど、この先までは不要であるという「知識の深堀り」の程度まできちんと示してくれる講師のもとで学ぶことができれば、徐々に自分でもその見分けが付くようになり、卒業後、あなたがフリーランスの翻訳者として独り立ちした時に、そのスキルはきっとあなたを助けてくれるはずです。

答えだけを教えていないか(6)

フリーランスの翻訳者になったら、誰もあなたを助けてくれません。自分1人で問題と向き合い、考え、解決できる「自己解決力」が必要です。

そのためには、単に答えや知識だけを教えるのではなく、以下のような「6つのポイント」をクリアするような指導がなされていることが必要です。

【トライアルの失敗を自分で気づく指導をしているか】

トライアルの指導に関しては、全くやらないところもあれば、逆に、模範解答まで教えてしまうところ、さらには、誰かがトライアルを代行し、トライアル合格までは勝ち取ってくれる「親切な」学校まであるそうですが、そのいずれもが指導方法としては不適切です。

みなさんの最終目標は、あくまでもプロの翻訳者として稼げるようになることですから、自力でトライアルを突破できるだけの実力を身に付けなければ意味がありません。

もちろん、トライアルに合格することは大切ですが、不合格になった場合でも、講師から一方的にミスした箇所の指摘を受けるのではなく、自分でそれに気づき、足りないところは補って、その後のトライアルの合格率を上げていけるような指導がなされることが大切です。

提携会社のトライアルを受験できることを「特典」している学校もあるようですが、提携校だから合格しやすいわけでもありませんし、仮にそのような「特典」がなくても、トライアルは自由に受験できますので、そのような「特典」があることを学校選びの理由とする必要はないように思います。

さらに、トライアルに関して気を付けて頂きたいことは、その合格を「実績」としているところがあることです。確かに、多数のトライアル合格者を出していることは、翻訳学校選びの1つの基準になるかもしれませんが、トライアル合格者は非常に多いのに、実ジョブを経験した人がほとんどいない場合には特に注意が必要です。

合格はしたものの評価が低くて実ジョブの依頼が来ていないのかもしれませんし、何か別の理由がある可能性もありますので、その場合にはトライアル合格の中身をきちんと確認するようにしましょう。

具体的には、どのような翻訳会社の、どの分野の、どの職種の(翻訳者なのか、チェッカーなのか、MTPEなのか)トライアルに、どれくらいの評価(Sランク、Aランク、Bランク等)で合格したのかを問い合わせてみるとよいでしょう。

【テキストの読み上げ、答え合わせに終始していないか】

例えば、週に1回、2時間の授業の中で、板書を写したり、テキストの読み上げに大部分の時間を費やしてしまうのは、時間がもったいないですし、受講生がそこから得られるものも多くはありません。

また、毎年同じカリキュラムを実施するのではなく、より分かりやすく、時代の変化に対応したコンテンツを用意したり、 受講生からの意見や希望を反映させるような授業内容かどうかも、教える側の姿勢として問われていると思います。

【訳文が生まれるまでのプロセスの説明に説得性があるか】

講師があらかじめ用意した解答を読み上げるだけの授業は論外ですが、受講生からの質問にただ答えを返すだけでは不十分と言わざるを得ません。

なぜそうなるのか、どのようにしてその訳文にたどり着いたのかという講師の「思考のプロセス」を、受講生の前で「再現」し、「なるほど」と納得いく説明ができなければ、受講生が他の文章を目の前にした時に適切な訳にたどり着くことができなくなるからです。

もしそれが出来ないのであれば、講師としては実力不足ですし、ただ答え合わせに終始するのであれば、 市販のテキストを買って勉強すれば済む話であって、わざわざ高いお金を出して翻訳学校に通う意味がなくなってしまいます。

演習に対する「答え」を教えてもらうのではなく、そこにたどり着く「プロセス」「考え方」を教えてくれる学校でなければ利用する意味がありません。

【答案提出&添削だけで済ませていないか】

課題を提出する「受講生の側」からすると、赤ペンでびっしりと添削してもらうと、それだけで満足してしまう人が多いようですが、それだけでは残念ながら「勉強した」とは言えません。

演習をやる意味は、受講生がその出題された問題をヒントに、自分で問題を掘り下げたり、範囲を広げたりして「学習量を増やす」ことにあるのですから、返却された添削結果を見て、「合っていた、間違っていた」と一喜一憂するのではなく、それを活かすような勉強が必要です。

これに対して、課題を出す「翻訳学校側」も、 受講生が学習範囲を広げられるように、課題を出した意図、出典、模範解答、そして評価基準を具体的に説得力をもって示すべきです。

このように、課題を出す側と出される側が、互いに意図をもって取り組まない限り、単に「その問題を解いた」だけで終わってしまいます。

【ハイブリッド(複合)案件に対応できる基礎力がつくか】

実務翻訳というのは、一見すると機械分野に見えても、電気・電子、化学、メディカル、バイオなどが組み合わさった「ハイブリット案件」になっているものがほとんどです。

ですから、受講生の段階から、翻訳する文章がどの分野の「組み合わせ」なのかを理解し、もし自分に不足している知識があればそれを「補充」し、納期内に良質な訳文を生み出せる力(基礎力)を身に付けておく必要があります。

そのために、機械コースが終了したら、電気、それが終わったらバイオ・メディカルというように、すべてのコースについて初級・中級・上級と受講していたのでは、トータルの受講料が非常に高額になってしまいますし、いつまでたっても翻訳学校を卒業することができません。

そうならないためには、特定分野の「知識」を身に付けるのではなく、「学び方」そのものを理解することによって、 自分の力で、例えば、「化学」から「バイオ」や「メディカル」などにその守備範囲を広げていけるような指導こそが、これからの翻訳者に求められる最重要課題ではないでしょうか。

 【対応分野を自力で広げられる力を付けられるか】

翻訳の対応分野を広げるためには、上記ハイブリッド案件のところで説明したように「学び方そのもの」をマスターして万能スキルを身に付けることが必要です。

それに加えて、例えば、自分が仕事を受注したいと思っている翻訳会社の「募集要項」を見て、求められている専門分野を察知し、その分野を先んじて調査・開拓していけるような力も必要となってきます。

受講期間・受講コースについて(7)

十分な指導期間があるか

文系で専門知識ゼロ、ITも苦手という人が、プロとして年収400~500万程度稼げるようになるまでは、最短で1年半、多くの場合には2年以上かかるのが普通です。

さらに、子育て中の主婦の方などで時間があまり取れない場合だと3年ほどかかる可能性もありますので、数ヶ月~1年でプロになるための全スキルをマスタ-するのは到底不可能です。

ですから、多くの学校で実施されているような、週に1回・2時間・数か月のこま切れのカリキュラムを 初級・中級・上級コースと複数受講したとしても、トータルの勉強時間はほんのわずかしかなく、みなさんが期待するほど学習レベルは上がっておらず、プロの翻訳者のレベルには到底及んでいないのが現実です。

ですから、「あそこの学校は2年だけど、この学校は半年で翻訳者になれるらしい」などというオイシイ話はこの世には存在しませんのでご注意下さい。

別料金の「追加コース」が必要とならないか

受講はしたけれども、ITが苦手な人はITコースを別料金で受講して下さい。専門知識ゼロの方は機械コース・電気電子コース・バイオメディカルコースを、場合によっては全専門コースを受講する必要があります。また、Trados操作については別コースが用意されています。などと言われたらどうでしょうか。

全部受講したら大変な額になりますし、全コース終了するのに何年かかるのか全く分かりませんので、標準コースだけでプロの翻訳者になれるのか、標準コースでどこまでカバーされているのかを確認するようにして下さい。

専門分野ごとのコース分けをしていないか

繰り返しになりますが、翻訳者の仕事はハイブリッド(機械・電気・化学等の専門分野の組み合わせ)になっています。

だからと言って、それらに対応するために専門分野(機械・電気・化学等)ごとに複数コース(初級・中級・上級)をすべて受講していたのでは非常に高額になって現実的ではないというのは前述のとおりです。

このように「全部入り」にすると受講料が高くなってしまうため、まずは、基礎コースの受講から始めましょうと言われるのではないかと思います。確かに、初期投資としてはその方が心理的・金銭的負担は小さいと思いますが、そのコースだけで翻訳者になれるわけではなく、別のコースの受講が、複数必ず必要になってきます。

ですから、翻訳学校を選ぶ際には、最終的にプロの翻訳者になるために、どれくらいのコースを、どれくらいの期間にわたって受講する必要があるのか、トータルいくらかかるのか、必要な全コースの「総額」を合算して比較検討することが大切です。

初級・中級・上級というコース分けを必須としていないか

繰り返しになりますが、翻訳学校で学ぶ目的は、プロの翻訳者になって収入を得るためなのですから、プロになれるかなれないか、それがすべてです。「半分だけプロ」「プロ化率30%」という状態がありえないように、プログラムに「初級」も「中級」も「上級」もありません。

世の中には自分は翻訳者になれないからも知れないから「初級」だけ受講して「だめそうだったらそこで諦めよう」という弱い気持ちで学習を始める人がいますが、そもそも「初級」だけを受講してプロになれるかどうかを判断することはできません。

草野球を1年間続けられたらプロを目指そうというマインドでは、決してプロにはなれません。プロになる人は最初からプロになると決めて努力をしている人です。そういう逃げ腰だと、いつでも撤退できるからと「返金保証」がある講座に安易に入ってしまいトラブルに発展する可能性もありますし、何よりもプロの翻訳者になるという目標を達成することは難しいと思います。

個別指導をしているか(8)

受講生には、「理系・文系」「社会人・無職・主婦」「会社勤めの経験がある人・ない人」「勉強癖がついている人・ついていない人」「論理的に考えられる人・暗記で逃げて来た人」など様々な方がおられますが、 翻訳学校で受講相談をすると、「まずは初級から頑張りましょう」と画一的な誘導されるようです。

けれども、ある授業が、自分にとっては苦手分野で難しいと感じる場合もあれば、逆に、得意分野だということもありますので、それらの人に、同じテキスト・同じ説明の仕方で教えること自体、無理があります。

それを考えると、受講生それぞれに応じた「個別指導」が絶対に必要です。それが用意されているか、標準として個別相談プログラムが付属しているかが翻訳学校選びの大きなポイントになると思います。

こんな翻訳学校がおすすめ(サポート体制)

質問について(9)

・回数に制限がないか
・質問方法に制限がないか
・回答までの時間が長くないか

質問は専用の質問用紙に限ります。その質問用紙は事務局でもらってください。質問用紙は一人何枚までです。質問を事務局に出してから2週間程度で回答します。このようなシステムでは、受講生ファーストとはとても言えません。

質問は無制限でOK、ネットの掲示板やメールでいつでも質問できて、即日遅くとも数日以内には回答が得られるというようなサポート体制がなければ、学習効率が非常に下がってしまいます。

数週間後に回答が返って時に、自分がした質問の意図さえ既に忘れてしまっているようでは、質問をした意味が全くありません。

受講生同士の意見交換が可能か(10)

受講生同士の意見交換が活発で、お互いに勉強法や分からない点について共有しあえるシステムがあると、学習が加速します。ネット時代ですので、実際に会って話をするだけではなく、ブログやメール、掲示板などで日々情報共有ができることが望ましいと思います。

翻訳者ブログ・受講生ブログ

まとめ

以上、失敗しない翻訳学校の選び方について、10のチェックポイントをあげてご説明してきましたが、実際に学校を選ぶとなると、ホームページやパンフレットだけでは分かりにくいところもあると思います。

なので、もしその翻訳学校に「体験入学」や「無料コンテンツ」などが用意されていれば、ぜひそれらを積極的に利用して下さい。そして、卒業生の声などもよく読んで、本当にここで学んでプロになれそうだとイメージできるか、ここで頑張ってみようと思えるかどうかを確認して下さい。

翻訳者の仕事は簡単ではありませんが、あなたの知的好奇心を満たしつつ、年齢制限なくいつまでも、また、ネット環境さえあれば世界中どこででも出来るとてもやりがいのある仕事です。

人は「想像できることは実現できる」そうです。もしあなたが翻訳者になって活躍している姿を想像できるのだとしたら、その夢は夢では終わらないかもしれません。この記事を参考に、まずは最初の一歩を踏み出してみて下さい。

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