翻訳コーディネーターの年収とは?その仕事内容や将来性について解説します

コーディネーター業務は様々な職種に存在しますが、ここでは翻訳業務に関連するコーディネーターである「翻訳コーディネーター」の仕事内容やその将来性について説明したいと思います。

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翻訳コーディネーターの年収とは

コーディネーターの年収分布を見てみると、

全体の「8割」 が年収200-300万円台、
全体の「2割」 が年収400-500万円台で、
それ以上の年収(600万円台以上)になるとわずか「1-2%」となり、
ほぼ例外的なグループに属していることが分かります。

つまり、ごく普通のスキルを有していたのでは、大部分の人は200万~300万
の方に入ってしまう可能性がとても高いということです。

よく「平均年収」という言葉を使いますが、それは年収が高い人を含めて計算した「平均値」であり、全員がその金額を稼げるというわけでは決してありません。

報酬や評価が一部の構成員に集中するという「パレートの法則」がありますが、この法則がもしコーディネーター業界でも成り立つのであれば、かなりの努力をしないと、あなたが8割の方に入ってしまうことを意味します。

実際、人材募集サイトで当該法則が当てはまるか検証してみたところ、全体が「80:20」にほぼグループ化でき、その妥当性が確認できました。

次に、翻訳コーディネーターと「他業種」の年収を比較してみましょう。

平均年収ランキングサイト(https://doda.jp/guide/heikin/age/)の
データを見てみると、

全体平均・男性平均・女性平均がそれぞれ
20代で(346万円・367万円・319万円)、
30代で(452万円・487万円・382万円)
(いずれも2020年1月公開データ)です。

翻訳コーディネーターのデータと比較すると、20代、30代の平均年収から判断すると、翻訳コーディネーターの年収は特段高くもなく低くもなく「平均的」な年収が得られる職種と解されます。

ただ、年収は要求される「職務内容の困難度」と対応していますので、単に年収いくらと見るのではなく、どのようなスキルを持つ人がどのような職務内容に対応し、どの程度の競争を勝ち抜けば、どれぐらいの年収になるのかを考えることが大切です。

そのために以下、応募資格・仕事内容と詳細を確認してみましょう。

翻訳コーディネーターの応募資格とは

応募資格として具体的なスキルが明記されていないケースもありますので、求人サイトに掲載された翻訳コーディネーターの仕事内容から、その応募資格について推測してみたいと思います。

求人サイトに列挙されている仕事はざっと以下のような内容ですが、一言で言えば「翻訳業務全般」であり、その内容も多岐にわたります。

  • クライアントから窓口対応(メール、電話、Zoom等)
  • 翻訳プロジェクトのスケジュール管理
  • 翻訳担当者の選定・依頼・納品物の品質管理
  • 翻訳者への仕様書・クライアント指示の徹底
  • CATツール導入支援、AI・MT導入推進
  • チェッカー選定・依頼・チェッカー品質管理
  • 検収・納品・請求書作成
  • 全体工程の見直し・改善提案
  • 利益管理・データ解析
  • 社内コミュニケーション管理
  • 専門知識習得(金融、法律、ゲーム、不動産等)
  • ITスキル支援・導入(場合によりアプリへの実装)
  • 企画・編集・レイアウト・デザイン
  • 翻訳メモリ・用語集管理
  • 営業支援・顧客ニーズの把握から案件化

これらを「応募資格」としてグルーピングすると、

  • 語学力
  • コミュニケーション能力
  • 対人スキル・対ストレス性
  • ITスキル
  • プレゼン能力
  • スケジューリング能力
  • 専門知識・業界分析力

などが、いずれも平均レベル以上で求められていることが分かります。

もちろん、これら全ての項目を高い水準で満たすことが理想で、それによって福利厚生が充実した正社員の身分を得て、高い年収で勤務できる可能性は高くなるはずです。

しかし、その全部を満たせなくても応募は十分可能ですから、まずは、応募先の条件を個別具体的に調査してみることが大切です。

翻訳コーディネーターの仕事内容とは

では、求められるスキルを翻訳コーディネーターの具体的な仕事に当てはめて、以下の順に、より細かく見ていきたいと思います。

・プロジェクト管理(全体管理)
・翻訳業務
・渉外業務
・IT業務全般

プロジェクト管理(全体管理)

文字通り「翻訳プロジェクト」について全責任を負うことです。
上記の細かい仕事は、すべてこのためにあると言ってもよいでしょう。
入り口から出口まで全ての責任をあなたが負うことになります。

なので、当然定時で帰宅できるとは限りませんし、相当なプレッシャーがかかることが予想されます。正社員で年収の高い人は恐らくこのプロジェクトの全体管理を責任者として担っているはずです。

ただ、子育てや健康上の問題からそのような厳しい仕事が難しいのであれば、上記の「一部」を在宅・派遣などで引き受けるのが現実的かもしれません。

翻訳業務

コーディネーターの職務範囲には本来翻訳業務は含まれないはずですが、

  • 翻訳者が見つからない
  • 納品物に問題があり緊急で修正したい
  • 小ロット案件で翻訳者に依頼するまでもないから社内で処理したい

等の理由から、コーディネーターが翻訳業務を担当するケースもあり得ます。

この場合は、応募条件に「英検」や「TOEICスコア」の規定があることがほとんどなので事前に注意しましょう。

また、将来的に翻訳フリーランスとして在宅で仕事を続けたい、勤務地の制限を受けずに仕事がしたい等の事情がある場合は、翻訳業務多めの職場を選択するといいと思います。

また、翻訳ではなくチェッカー業務を翻訳コーディネーターが担当する会社もあるようなので、事前に業務内容を確認するようにして下さい。

渉外業務

渉外とは、外部と連絡・交渉する仕事を指しますが、会社によっては、対クライアント、営業マン、翻訳者、社内関係者のスケジュール管理、利害関係調整などを含む「交渉ごと全般」を担当してもらう人の意味で使っているケースもありますので注意しましょう。

ネゴ全般を担当するとなると、高いコミュニケーション能力に加え、耐ストレス性、体力・気力、プロジェクト遂行のための全体調整能力が必要とされますので、与えられた業務だけをコツコツやりたいという人にはおそらく向かないと思います。

何とかやれるだろうと甘い考えて引き受けて結果的に無理をすると、精神的に追い込まれる可能性があります。それでもあえて応募する場合には、自分の業務範囲をきちんと確認し、自分の適性からできることとできないことをはっきりと伝えることが大切です。

IT業務全般

いまの翻訳業務は、

  • Trados等の「CATツール」操作に加えて、
  • レイアウト・デザイン用DTPソフトの活用
  • コストダウンのための人工知能(AI)エンジンの活用
  • コミュニケーションツールとしてのZoom、Skypeの利用
  • チームマネジメントによる効率アップのためのグループウェア利用等

高いITスキルが必要です。

翻訳コーディネーターとして、どこまで担当するのかを事前にチェックし、自分に不足したITスキルがあれば、それを補填する努力が求められます。

会社によっては、入社後にOJTで教育してくれるところもあるようですが、高年収の場合は即戦力として採用されていますので、OJTには期待せず、あらかじめ入社前に自分でスキルアップをしておくようにしましょう。

翻訳コーディネーターに向いている人とは

職務内容にもよりますが、

  • 組織人としてしっかりしている人
  • 努力できる人
  • まじめな人、に加えて
  • 職務遂行のためのスキルセットが備わっている人です。

足りないスキルは大急ぎで獲得する柔軟性とやる気も求められるでしょう。

翻訳コーディネーターに向いていない人とは

じっくりと落ち着いて仕事をしたい方や、時間的な制約がある方には、納期に間に合うように残業を行ったり、多くの方のスケジュールを調整しながら仕事を進めていかなければいけないコーディネーター業務は正直厳しいかもしれません。

業務内容が限定されたものをコツコツと行うような仕事があればいいのですが、それでも、全般的に前向きでやる気があって平均以上の能力がないと厳しい仕事だと思います。

翻訳コーディネーターの将来性は

通常の会社員としての転職と同じで、幅広い職務内容をそつなくこなせる高いスキルを持った人材であれば、高い専門知識と組み合わせることにより年収1000万円を超えるハイスペ人材として活躍できると思います。

しかし、そういうスキルを持ち合わせていないのであれば、自分の将来の希望との関係で応募先を慎重にすり合わせる必要があります。この場合は、希望年収との兼ね合いが問題となります。

社員として

年収が高い応募先としては「正社員」としての雇用形態がほとんどで、ある人材募集サイトでは応募案件の4割程度が正社員での募集でした。

正社員なら福利厚生も充実しており、長期的なスキル開発も期待できますし、様々な職種を経験できるメリットがあります。そのまま正社員として長く勤務しても良いですし、フリーランスとして複数会社と契約して高年収のハイスペフリーランスへの移行を前提に経験を積むことも可能です。

ただし、一般的に正社員としての人材募集の場合、そのスキルの要求水準は非常に高く、職務内容も幅広くマーケットのニーズに合わせて新しい分野にも挑戦できる高い能力とやる気と体力がなければ高年収での稼働は難しいです。

さらに今後、ジョブ型雇用・リモート勤務の普及に伴って、ますます社員の評価が厳しくなり選別されていくと思われます。

フリーランスとして

翻訳コーディネーターを完全フリーランスで、在宅あるいは勤務先で担当するケースはまだまだ少数です。例えば、ある人材募集サイトでは全体の15%が契約社員・パート・アルバイト、45%が派遣での募集でした。

派遣やパート・アルバイトであれば、勤務先での指示に従うことになりますが、時給換算のところが多いですし、勤務時間もフルタイムとは限らず、長期にわたって安定収入が得られる保障がないというデメリットがあります。

翻訳者になるための入口として

カバーできる職務範囲が広く、翻訳業務・チェッカー業務「以外」の様々な付帯業務もこなせるような社員が、地方で働きたい、あるいは子育てしながら働きたいという希望を出せば、在宅勤務で翻訳コーディネーターとして仕事をすることは十分可能だと思います。自分の都合を押し通すためには「 余人を以ては代えがたい」人材としてのアピールも大切になるでしょう。

また、付帯業務ではなく「翻訳業務」に対する勤務先の評価が高ければ、翻訳案件をそのまま「翻訳者」として受注できる可能性もあります。

加えて、人工知能(AI)や機械翻訳(MT)を使ったコストダウンに対応できるような人材であればさらに仕事は途切れないと思います。ただ、ここまでのハイスペな方はごく少数ではないかと思われます。

まとめ

翻訳コーディネーターを目指す人には、一生翻訳コーディネーターを続けていくのか、それとも、翻訳コーディネーターは次のキャリアへのあくまでも踏み台として別の方向に進むのかという「出口戦略」をぜひ考えて頂きたいと思います。

新型コロナウイルスの影響で、ある程度のリモート勤務を認めてくれる会社は、
増えてきていると思いますが、翻訳コーディネーターには「対外的」な折衝業務も主な業務となりますので、100%在宅勤務は難しいはずです。

長期的に安定収入を得るために、そのような制約は甘受しつつ社内での職務内容の変更や残業勤務等には柔軟に対応していくのか、それとも、100%在宅勤務を目指していくのかがまず大きな選択として挙げられます。

もし「在宅勤務」に重点を置くのであれば、翻訳コーディネーターではなく、最初から「翻訳者」を目指した方が得策かもしれません。特に、人間関係や勤務場所・勤務時間、事実上の年齢制限がある場合には、最初から最終目的地である「在宅フリーランス」を目指すほうが効率的です。

その中でも、得意な英語を活かした「一生モノのスキル」を身に付けたいという方々から、職業としての「翻訳者」がいま評価されています。

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