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世間では、スクールや講座を受講したり個別指導を受けたりしないと、
「絶対に」特許翻訳をマスターできないと思っている人が多いようですが、
そんなことはありません。

文系だろうが、学生だろうが、主婦だろうが、高卒だろうが関係ありません。
独学でプロになる道は存在します。

それは細くて長い道ですが、確実に存在します。

ここでは、少し時間はかかりますが、
完全独学で特許翻訳をマスターしたい人のために、
その「道しるべ」を提供したいと思います。

ただし、わたしの講座を受講した場合と比較して
独学コースを選択した場合、余分な時間がかかりますので、
それだけは覚悟してください。

わたしの講座を受講すれば最短で半年、通常1年、
少し時間がかかった場合でも2年程度でほぼ確実に
プロの特許翻訳者になることができています。

しかし、これから紹介する方法を採用し完全独学でやった場合、
その人の背景によっても違いますが、
プロとして活躍できるようになるまでに早くて3年程度、
通常は4~5年かかります。

長い場合は7~8年かかるかも知れません。

それは、疑問点をすぐに質問して解消できない、
誤った方向に進んでしまう可能性があるという点で
大変不利だからです。最悪、途中で独学がストップすると、
そのままドロップアウトする可能性もあります。

また、独学でプロになるコースを選択した場合、
プロになるまでの期間圧縮ができない点で、
生涯年収の観点から数千万の損害となります。

それでも構わない、それは覚悟の上で独学でやってみたい
という方は是非ここに書かれた内容を参考に実践してみてください。

また、ここに書かれたノウハウだけではまだ一歩を踏み出せない不安だ
という方は、「ビデオ動画30本無料プレゼント」にご応募ください。
独学で出来そうかどうかの1つの判断材料になるのではないかと思います。

Yahoo!虫眼鏡を活用する

では、始めましょう。

まず、Yahoo! JAPANにアクセスしてください。

ページが表示されたら、ページ上部にある検索窓に
「ロータス効果」と打ち込んでください。

20160720-1

打ち込んだら、「検索」ボタンをクリックします。そうすると、
次のような虫眼鏡のアイコンの隣に語句が表示されます。

20160720-2

これらをマインドマップにまとめていきます。
なお、ここではマインドマップソフトとして、
Xmind Pro7を使用しています。

特許翻訳学習に非常に役立つソフトですので、是非入手してください。
入手先は、https://jp.xmind.net/storeです。

上記の虫眼鏡の結果をマインドマップを使ってまとめてみると
次のようになります。

20160720-3

本来ならば、虫眼鏡で表示された語句の組み合わせ
(例、ロータス効果 原理)を検索用語にして、
更に虫眼鏡で検索(深掘り=ドリルダウン)するのですが、
ロータス効果の場合、この先のより深い階層での虫眼鏡検索をしても
ヒットしませんので、ここで検索作業は終わりです。

Google検索を行う

次に、虫眼鏡で表示された語句の組み合わせ全てについて、
Google検索を実施します。

検索結果で表示されたトップ10~20程度のサイトの
メタディスクリプション(ダイジェスト文章)をチェックします。

20160720-4

マインドマップにまとめる

虫眼鏡で表示された語句の組み合わせの全てについて検索を繰り返し、
検索に使用した語句がどのような分野でどのような関連性を持っているか、
その都度マインドマップにまとめていきます。

下図はそのまとめた結果です。

20160720-5

なお、黄色の部分は、対訳収集ソフト E’Storage2016
( http://www.djsoft.co.jp/products/estorage.htmlより入手)
を使って抽出した情報を追加したものです。

対訳収集ソフトを使えば、簡単に入手できます。
下表は、上記対訳収集ソフトの検索結果一覧を示しています。

20160720-6

興味のあるテーマを自分の専門分野とする

問題はここからです。ロータス効果と言っても、
化学寄りの発明、電気寄りの発明、機械よりの発明、数学寄りの発明
と別れていますし、

化学分野の中でも食品化学関連のものもあれば、
機械分野にも、金型関連もあれば航空機関連もあります。

検索した中に、過去の自分のキャリアと関連するものがあれば
それを選択すればいいと思いますが、それがなければ
純粋に興味を持てそうなものかどうかで選択すればいいと思います。

知的好奇心を優先してください

ここで、どの分野だと仕事が多そうだとか、どこが儲かりそうだとか、
余計なことを考えると失敗します。純粋に面白そうかで選んでください。

嫌々勉強してきたか、本当に好きで勉強を継続して積み重ねてきたかは
見る人が見ればすぐに見抜かれてしまいます。

まずは、好きか嫌いかで選んでください。
それがあなたの専門分野となります。

特許庁のデータベースで関連特許を読む

ここですぐに、英日の比較対象をして使えそうな英文の型や
専門用語の抽出をしないでください。

まずは、日本の特許庁の特許情報プラットフォーム|J-PlatPat
にアクセスしてください。

20160720-7

テキスト検索モードに入って、「検索項目=要約+請求の範囲」として、
「検索キーワード=ロータス効果」とすると、27件ヒットしました。

20160720-8

関連する日本の特許はできる数多く読むようにしてください。
ここではたった27件です。この程度であれば全件読破を目指してください。

当業者特有の表現や言い回し、専門家が使う独特な用語などは、
一定数以上の特許を読み込まないとあなたの頭に「ビルトイン」されません。

特に、独学の場合は、量でライバルに打ち勝つことを意識してください。
プロになって相当額の年収を掴むための競争をしているのですから、
ちょっと辛いからとか大変だとか言ってすぐにやめるのはダメです。

これはお稽古ごとではありません。これができないなら、
独学は無理です。

企業分析・競争力分析を行う

検索結果を見ながら、どのような業界のどこの会社が、どんな分野の
どんな特徴を持つ特許を出願しあるいは取得しているかを分析します。

必要なら「会社四季報」を参照に、マインドマップにまとめながら、
ライバル企業の開発動向も分析しつつ、
「ロータス効果」の「通」を目指します。

対訳を用いたデータベース構築へ

最後に、翻訳支援ソフト、機械翻訳ソフト、エクセル、秀丸などの
エディタを駆使しながら、オリジナルデータベースを構築します。

専門知識などについては、「知子の情報」 – TEGLETを活用して、
ストックしていきましょう。

最大のハードルは技術思想の把握

独学における最大のネックは、
この「技術思想の把握力」及び「操作能力」です。

これは一定期間の鍛錬を必要としますので、
できればわたしの講座を受講していただきたいのですが、
独学で身につける場合は、これまでに薦めた方法を繰り返しながら、
「考える」ことを意識してください。

短時間で当該特許の「キモ」が見抜けるようになれば、
この能力が身についた可能性があります。

知識ゼロの小学生に当該特許を説明できるかどうか試してみるのも手です。http://chitekimirai.com/yamapat/index2/meisaisho/text/7.hatsumeihaaku-1.html

いばらの道ではありますが、自ら選んだ道です。
是非最後まで頑張って夢を実現してください。

まとめ

どんな人にでも特許翻訳はマスターできます。
また、時間はかかりますが、独学でのマスターも不可能ではありません。

量に負けず、考えることを諦めず、ノウハウの蓄積を続けていけば、
一定期間後にきっとブレイクスルーが起きるでしょう。

<追伸>

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この質問は、初心者向けの質問サイトに繰り返して登場する質問ですが、
はっきりいってこれは愚問です。

質問者にはそもそも「需要」の意味が分かっておらず、
自分と「需要」なるものとの関係が把握できていません。

おそらくですが、漠然と仕事が沢山あるのであれば、
自分もおこぼれにあずかろうとか考えているのでしょうが、
世の中そんなに甘くありません。

大事なことは、まず自分が何を聞いているのか、
自分が認識している「需要」とは何なのか。

分からないことを分からない状態で放置しないで、
「ブレークダウン」するクセをつけましょう。

「ブレークダウン」すれば、自力で答えにたどり着くことができます。
こうして身につけた自己解決能力こそがプロの必須スキルの一つです。

翻訳者の需要と供給

 自然界における需要と供給には「偏り」が存在します。

パレートの原則(80対20の原則)と言われることも多いのですが、
これを翻訳業界に当てはめてみると、翻訳案件(実ジョブ)は
「一部の優秀な翻訳者」に集中するということになります。

低い翻訳レートで仕事を引き受けてくれる翻訳者を使えば
確かにコストダウンになりますが、だからといって、
訳質レベルの低い翻訳者に仕事を回そうという翻訳会社はほとんどありません。

そのまま納品したら、納品物へのクレームを受けるだけでなく、
それまで続いてきたクライアントとの契約そのものを失う危険があるからです。

事実、ある翻訳会社が有名なクライアントから切られて、
別の翻訳会社にそのまま翻訳メモリが移管されるプロセスを
経験したことがあります。

翻訳メモリの中身を見せてもらいましたが、
それはそれが酷いものでした。

ただ、いくら優秀な翻訳者であってもその処理量には限界がありますから、
繁忙期にはレギュラー陣だけではマンパワーが足りず、
受注した仕事を回すことができなくなります。

会社としてはいったん勝ち取った契約を失いたくはありませんから、
翻訳会社は一定のマージンを差し引いたレートで、
別の翻訳会社に仕事を回したり、あるいは、通常は使わない
(使いたくない)翻訳者に仕事を回したりします。

ただし、後者の場合は、チェッカーによるフィルターを強化するなりして
品質維持に余分な手間をかけることが前提となります。

優秀なチェッカーをストッパーとして投入すれば、
それなりのコストが上乗せされますから、
全体コストを予算内に収めるために翻訳者のレートは低くなります。

つまり、需要がいくらあってもあなたのレベルが低ければ関係がない
ということです。

相手にとって上位ランクの翻訳者でなければ、
そもそも仕事は回って来ないか、

回ってきても優秀なチェッカーの後ろ盾が必要なために、
翻訳レートはかなり低めに設定されるかのいずれかでしょう。

需要があるから自分に沢山仕事が来る、
だから自分は翻訳者として稼げる、という単純な流れで
安易な期待をしてはならないということです。

自分のレベルを知る重要性

 このように、需要とは供給とのバランスで決まることが分かれば、
自分のレベルを知り、必要ならレベルを上げる努力が必要であることは
おわかりいただけると思います。

沢山の応募書類をいろんな翻訳会社に送ったのに、
トライアルそのものが送られて来ないというのは論外だとして、

トライアルに合格し翻訳会社に登録された後、
何ヶ月も仕事が来ないということであれば、
登録時の評価が低いために繁忙期にやむを得ず使うことを
想定して登録された予備軍(プロスポーツの世界でいえば2軍)
での登録だと気づくべきです。

そのような予備軍の登録翻訳者にとっては、
需要があるとかないとかは関係ありません。

需要があろうがなかろうがそういう翻訳者には
そもそも仕事は回ってこないのですから。

回ってきても、例外的なケースですから稼働率は著しく低く、
とてもプロとして食べていける年収には達しません。

自分のレベルが十分でないと思ったら、
需要云々を考えるより先に、翻訳力を向上させる地道な努力に
注意を向けるべきです。

実態に即した守備範囲の確立

 専門分野が明確な人にありがちな話ですが、
自分の専門分野はXXXだからXXXの仕事だけ送ってください
という人がいます。

これでは、コーディネータは困ってしまいます。

特許はハイブリッドな案件がほとんどなので、
化学と思って送った案件が機械寄りだったということもあり得ます。

このような場合、その案件を打診された翻訳者が
「案件ミスマッチ」としてクレームしてしまうと、その後、
コーディネータはその翻訳者に案件の打診がしづらくなり、
その結果、その翻訳者は仕事を受注するチャンスを失うことになります。

例えば、化学系の案件であっても、ばりばり合成系もあれば、
分析装置に絡むメカ中心の案件もあるし、反応速度論などの
数学系の案件もあります。

化学系で応募したのなら、専門領域をより広く捉えて守備範囲を
広げる努力をすべきです。

過去の研究テーマや自分が出願した特許にこだわる翻訳者は、
いくら理系で専門知識があったとしてもただの使いにくい人
プライドだけ高い面倒な人として認定されてしまいます。

特許翻訳を仕事にする以上、
自分から仕事の実態に歩み寄る努力をすべきです。

逆に、文系ならば、化学か機械か電気かと言ったおおざっぱな括りで
捉えるのではなく、特許明細書を出発点として学習を進め
現場の実態に即した守備範囲の確立を急ぐべきです。

でなければ、自分の専門領域にこだわる理系と同様、
使えない翻訳者認定されてオシマイです。

どんな特許があるのか、自分はどの分野に対応できるのか、
どういう特許なら興味を持って勉強が継続できるのか、
本当にそれは自分がやりたい仕事なのか、等々、

そもそも特許翻訳者になりたいと思った気持ち(出発点)に遡って
自分を見つめ直すことです。

まとめ

自分のレベルが十分でない時点で、
一般論として、需要(仕事)があるとかないとかを議論することは
無意味であることはおわかり頂けたかと思います。

議論する以前に、検討すべき項目がいくつもあるのです。
まずは、足元を見て、地道な努力を続けていきましょう。

優秀な翻訳者には常に仕事が打診され、
仕事に追いまくられる状況があるのですから、
仕事が選べる翻訳者になることがまずは先決です。

<追伸>

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親を含む周囲の人間関係からのすり込みによって、
「大学を出たら会社に就職する」という方がほとんどですし、
その選択に疑問を抱く人はごくわずかだと思います。

しかし、学生時代から準備して、20代でフリーランスという
働き方の選択肢を持つと人生は大きく違って見えます。

今回は、大学時代から特許翻訳の勉強をすることの価値について
お話ししたいと思います。

翻訳者vs会社員の収入面の考察

下記の図1は、平成26年度分・民間給与実態統計調査
(国税庁 長官官房 企画課)調査結果報告001.pdf
P18に掲載されている「年齢階層別の平均給与」です。

以下、この図を元にしてお話していきましょう。

20160718-1
(図1)

現在、日本の財政状況の悪化に呼応して、
年金受給開始年齢がどんどん遅くなっています。

政府も65歳受給開始を前提として、民間企業の雇用延長を
求めていますが、現状は思い通りには進んでいません。

民間企業も厳しいビジネス環境での生き残りをかけて
コストダウンを図っています。

従って、従来の定年である60歳以降にたとえ雇用延長があったとしても、
それは嘱託など雇用形態の変更を前提としたものが多く、
その年収も定年前の3分の1あるいは4分の1での再雇用
といった会社が多いのです。

図2を見てみてください。

20160718-2
(図2)

年収の上昇カーブが、50代半ばから低下し始めることが
お分かり頂けると思います。更に細かくみていくと、
図3の青丸で示したように

20160718-3
(図3)

定年前(55~60歳)で賃金調整と見られる年収低下も見られます。

会社員として生活していくということは、
おおむねこの年収を前提として、結婚、出産、育児、マイホーム購入
教育、病気などのライフイベント・アクシデントに対応することになります。

翻訳者と会社員の生涯年収

では、フリーランスの場合はどうなるのか、
比較してみたいと思います。

両者が同等と言えるには

フリーランスの場合、会社員ならではの恩恵とは無縁です。

健康保険、失業給付、社補助、有給休暇などは存在しませんから、
会社員の年収より高い収入があって始めて同水準となります。

会社員の場合は源泉徴収であるのに対して、
フリーランスの場合は経費処理できる部分もあり
この点は確かに有利ですが、逆にフリーランスの収入には
不安定という弱点もあり、どこをどれだけ勘案するかによって
大きく違いが出てしまいます。

そこで、ここでは稼働率がほぼ同じという前提で、
概ね年収で1.5倍稼いでいれば同等レベルの生活ができる
いう前提でお話ししたいと思います。

比較する具体的な年収金額

下記の図3でお分かりのように、会社員の年収のピーク値は
50~54歳で656万円です。

20160718-3

その1.5倍だと984万円・・・

私が主催している特許翻訳講座ではプロになってから
3年程度で年収1000万円を目指していることから、
会社員のピーク相当額である年収1000万円を
翻訳者として稼いだケースで比較してみたいと思います。

詳細な検討(一般論)

では、どの段階で1000万円に到達できるでしょうか?

大学を22歳で卒業して3年間の勉強期間を経て4年目から、
すなわち26~27歳でこの年収に到達できます。

そうすると図4のようなラインとなります。
(緑色の横線は1000万円の高さを示します)

20160718-4
(図4)

1000万円で横一線となっている理由は、
収入が安定した後は、効率化によって生まれた時間を
別のビジネスの準備のために振り向ける戦略を
講座でもお勧めしているためです。

フリーランスは60歳定年がありませんから、
健康を維持できれば80歳での稼働も可能ですが、
会社員が嘱託などの身分で70歳まで稼働できた場合と比較するために、
フリーランスも同じ70歳で引退するものとします。

すると、会社員とフリーランスの生涯収入の見かけ上の差は、
下記の図5の緑の横線と赤線との間の「黄色の斜線部分」の面積で表されます。

20160718-5
(図5)

しかしながら、前述のように、フリーランスの年収は
会社員の年収の「1.5倍で同等」であるという前提で見直すと、
図6の「赤い斜線部分」が実質的な生涯収入の差となります。

20160718-6
(図6)

このことから、会社員の年収が上がりきるまで、
どれだけ早い時期に年収を上げて安定させることができるかが、
生涯年収レベルで大きな差を生むことがおわかりいただけると思います。

これができれば、50代後半から年収が低下し、
60歳以降は年収が激変する会社員と比較して、
翻訳者は生涯収入レベルで大きな差をつけることが可能となります。

詳細な検討(女性の場合)

さらに、着目して欲しいのは女性の年収ラインとの差です。

女性の場合、結婚、出産、子育て、配偶者の転勤等のために、
キャリアが断絶され、職場復帰できるのはアラフォーになってから
ということも少なくありません。

この時、「正社員」として復帰できる人はごくわずかですし、
それが可能な場合であっても、「時短勤務」などによって
本来の正社員なら稼げていたはずの年収レベルに戻るのは難しいのが現状です。

正社員に復帰できず、非正規雇用にとどまれば、
さらに不利な状況に陥りますので、結果、生涯を通じて
年収は200万円台に押さえ込まれています。

ですから、フリーランスとして安定的に稼げた場合との差は、
女性の場合、非常に大きなものとなります。

図7の「ピンクの斜線部分」が女性の場合のフリーランスとの
生涯年収の差となります。

20160718-7
(図7)

このように、フリーランスとして早期に安定稼働できた20代女性は、
その後、非常に有利であることがおわかりいただけると思います。

加えて、フリーランスには大きなメリットがあります。

それを次にお話しましょう。

翻訳フリーランスのメリット

上でも少しお話しましたが、この不透明な時代では、
複数のマネタイズの柱を確保することが絶対に必要です。

そのためには、できるだけ時間を余らせて、その余った時間で
次のビジネスの仕込みをする必要があるのですが、
会社員の場合、この点でも非常に不利です。

昨今、ブラック企業が有名になったこともあり、
企業も表だって副業禁止とは言っていません。

しかし、職場の現状はリストラが進み、人手不足となり、
残業前提の業務分担となっている場合はほとんどです。

同じ職場にいて、毎日定時に帰って副業に勤しんでいたら
すぐに職場の同僚に感づかれて人事にたれ込まれて
各種不利益扱いされるのがオチです。

事実、多くの日本企業では社員に余裕を与えない労務環境になっています。

わたしの主催している講座でも、40代~50代の
働き盛りの会社員の方に受講して頂くことがありますが、
最初の頃の勢いを最後まで持続していただける方はあまり多くない
というのが実情です。

厳しい会社環境の下、残業が終わってへとへとになってから
深夜又は早朝に時間を確保して勉強を続けるには、
超人的な精神力が求められますから、仕方のないことかも知れません。

会社員には、時間的にも金銭的にも新しいことを始める余裕がないのです。

学生時代に特許翻訳を勉強する意味

従って、このような厳しい労働環境に入る前に、
女性であれば婚活・結婚・子育ての長いトンネルに入る前に、
新しい武器を手に入れていただきたいのです。

そして、そのための準備期間としては、学生時代は、
最大にして最後のチャンスといえるのです。

事実、少しずつではありますが、講座へのお問い合わせの中に
学生の方が増えている傾向が見られます。
相当、感度が高い方であるといえるでしょう。

周囲に流されて、親を安心させるためにとりあえず会社員となり、
ブラック企業で鬱病にされ、退職し、体調が戻っても
さらに別のブラック企業へと漂流し、

結果、再起不能となるまで精神を壊され貧困に沈んだりする前に、
「フリーランス」という選択肢もあることを知っておくことは
とても大切なことだと思います。

そして、それができる環境にあるなら、あるいは、
できるだけその環境をつくって、勉強を始めて欲しいと思います。

資本主義の世の中では、選択肢を持たない人は非常に不利な立場に
置かれます。だって、選択肢がないということは、
相手の言いなりになるしかないのですから。

まとめ

学生時代に「特許翻訳」という武器を手に入れておけば、
会社員の「副業」として仕事をすることもできますし、

仮に会社を退職しても、スムーズに「フリーランス」に
移行できますから、収入の心配がありません。
さらに、生涯年収の面から考えても非常に有利です。

特に、女性の場合は、年収レベルを大幅にアップできますし、

配偶者の収入に依存する必要がなくなるので
自由な生き方を選ぶことができ、人生のQOLを上げることが
きっとできるはずです。

<追伸>

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翻訳者になりたいけれど、翻訳者になるために
超えなければならないトライアルのハードルは高い。

そう思っている人には、

翻訳チェッカーから始めることをお勧めします。

ただ、注意して欲しいことがいくつかあります。

そもそもずっと翻訳チェッカーのままでいいと思っている人、
翻訳チェッカー専業で終わっていいと思っている人は少ないはずです。

だとすれば、翻訳チェッカーは「手段」であり、
「目的」は翻訳者になることのはずです。

ここを確認しておかないと、翻訳者になりたいあなたにとって
かえって遠回りになってしまいます。

また、翻訳チェッカー業務の「中身」にも注意する必要があります。

キャリアをスタートさせるにあたって、
最初の最初で躓かないように、業界裏事情も含めて
じっくりお話しましょう。

翻訳チェッカーは保険

応募書類を翻訳会社に送付してトライアルが送られてきた。
がんばって翻訳してトライアルを返送したけど不採用だった。
めげずに何社かのトライアルに挑戦したけれども全部ダメだった。

この場合、そのままトライアルだけを延々を続けていても
翻訳者になるのは難しいかも知れません。

なぜなら、今のあなたには何がトライアルで問われているのか、
どこをどう改善すればいいのかが全く見えていない可能性があるからです。

そのような場合は、まずは翻訳チェッカーから初めてみると
いいと思います。翻訳者としてダメであっても、
翻訳チェッカーとして採用されるかも知れません。

場合によっては、いきなり翻訳者としてのデビューを
目指すことが得策とは言えないのです。

 翻訳チェッカーのメリット

翻訳チェッカーの仕事には以下のようなメリットがあります。

翻訳の実ジョブを見られる

こういう会社からこういう特許が出ている。
それを知るだけで、勉強の対象がはっきりします。

実ジョブをある程度経験すると、
その会社のクライアントが見えてきますし、
各クライアントがどのような分野でどのような特許を出願しているか、
出願傾向も分かります。

ということは、勉強すべき素材がはっきり絞り込めるということで、
非常に効率的な勉強ができることになります。

Hints Key Showing Tips Suggestions And Advice

大学入試で言えば、「赤本」が手に入ったようなものです。

翻訳者(プロ)の仕事を見られる

いま手元にあるチェック対象となっている訳文は、
その翻訳会社のトライアルに合格したプロが処理したものです。

お手本を見ることができるわけです。
翻訳チェッカーとしてお金を頂きながら、お手本を見ることができる。
これは大変オイシイ仕事だと言えるのではないでしょうか。

翻訳者(プロ)のミスパターンが分かる

プロの翻訳者がどんなところで間違えるのか、
プロのミスパターンを確認することができます。

それを整理・分類して自分のデーターベースに格納しておけば、
将来自分が翻訳者になったときにすぐに活用できる秘密兵器にできます。

すでに翻訳者として経験がある方ならおわかり頂けると思いますが、
自分の訳文ミスを自分で見つけることは困難です。

他人の訳文であれば、より客観的視点でチェックできますから、
そのミスに気づきやすいのです。

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そして、他人のミスを客観化することで
自らのノレッジとして取り込むことができます。

講座の受講生にもすでに翻訳者として活躍している人が沢山いますが、
たまには翻訳チェッカーを引き受けることを勧めているのは、
このノレッジの蓄積ができるというメリットからです。

翻訳者になりやすい

当たり前といえば当たり前ですが、とりわけ
翻訳チェッカーの仕事をやっている会社のトライアルの合格率は、
いきなり応募して挑戦する場合より格段に高まります。

クライアントも出願傾向もすでに分かっており、
その実ジョブのミス傾向も分かっているのですから、
合格しやすいのは当然といえば当然です。

目が肥えているわけですから、トライアルに仕込まれた
トラップも見抜きやすくなっているでしょう。

最後になりますが、翻訳者への入り口が広がる
というメリットがあります。

すでに、翻訳チェッカーとして、
翻訳会社との信頼関係が形成された後ですから、

そのチェッカーが翻訳者トライアルに再挑戦させて欲しいと言えば、
ダメだと言われる可能性は小さいはずです。

いきなり応募する場合は、書類選考ではじかれてしまい、
トライアルに挑戦することすらできない場合も考えられますが、
一度チェッカーとして信頼関係を構築した後であれば
そのような門前払いもなくなります。

翻訳チェッカーのデメリット

収入について

まず、翻訳者と比較して収入が少ないということが挙げられますが、
これは、翻訳会社のコスト構造上やむを得ないことです。

翻訳チェッカーに翻訳者と同じ報酬を支払っていたのでは、
コスト競争力が失われてしまいます。

なので、翻訳チェッカーは期間限定でやるべきです。
できれば半年程度、長くても1年以内でしょう。

それ以上、翻訳チェッカーを続けないと翻訳者に
ポジションチェンジできないような場合は、
そもそも翻訳の勉強が足りていない、翻訳スキル不足と思われます。

こういうと、翻訳チェッカーを続けながら翻訳基礎力を
つければいいという人がいるのですがオススメできません。

不安定な収入状態が長く続くことになるからです。

基礎体力部分は、1年程度の集中的トレーニングによって
終わらせるべきです。

名ばかり翻訳チェッカー

次に、これは翻訳チェッカーのデメリットというより、
翻訳チェッカーのカテゴリに入れていいのか疑問の残る業務を
翻訳チェッカー業務と称して長期間続けることから生じるデメリットです。

というのも、世間では翻訳会社のチェック表との対比をさせる仕事を
翻訳チェッカーと呼んでいる場合もあるからです。

このような作業は、翻訳力の向上とは必ずしも結びつきません。

低収入に加えて、ソフトによる自動処理が可能な業務として
遠くない将来、失業してしまうリスクも抱えています。

翻訳チェッカーとしての募集があったとしても、
その内容を精査しないと、翻訳者への道が遠回りになる危険があります。

翻訳者を夢見る夢子さんに、このような人気の無い仕事を
見習いとかチェッカーと称して押しつけ、
安く長期間使い倒す悪徳業者がいないとも限りませんので注意が必要です。

まとめ

このように、いきなり翻訳者を目指すのではなく、
翻訳チェッカーから入って、じっくりと力を蓄えてから
翻訳者を目指すルートもあります。

そのためには、将来翻訳者になるために役立つような
翻訳チェッカー業務であるかどうかをきちんと確認してから、
始められることを強くおススメします。

<追伸>

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ネットの相談コーナーを見ると、こんな相談をしている人がたくさんいます。

文系だから理系に比べて不利でしょうか?

文系が専門知識を身につけるにはどうしたらいいでしょうか?

多くは、文系女子(主婦)の方です。

これに対して、「理系の大学に入り直せ」といった
無茶苦茶なアドバイスをしている人がいます。

相談者は、主婦業・子育てを続けながら、
在宅で収入を得るための方途として特許翻訳者になろう、
そのための方法を模索して質問しているわけですから、
この答えはあまりに無責任と言えます。

講座へのお問い合わせでも、この点を不安に思っている方からの
ご相談が大変多いのです。

そこで、今回は、

文系が特許翻訳者になろうとするのは無理なのか。
なれたとしても長い学習期間が必要なのか。

について考えてみたいと思います。

文系・理系の区分けに騙されるな

自分は文系ですから、という人の話を聞いてみると、
高校時代に理系科目が嫌いになって勉強しなかったとか、
女性だからという理由で文系前提の進路指導された、

だから、大学も必然的に文系になったというケースが多いのです。

では、なぜ高校時代に理系科目(数学・物理・化学)が嫌いになったか
というと、教師に問題があるケースがほとんどです。

科目の面白さを伝えられない教師、本当に内容を理解せずに
とりあえず試験に出るから暗記しろというでたらめな指導をしている
教師が実に多いです。

生徒が授業中寝ているのは教師の力量不足です。

つまり、理系科目ができないから文系を選択したというより、
理系科目をちゃんと教えてもらわなかったから、
理系科目の面白さに触れることなく、消去法で文系になった
という人が多いのです。

自分は文系ですという人は、今一度考えて欲しいと思います。
本当にあなたは文系なのですか、と。積極的に文系を選んだのですか、と。

好きになれば得意になったはず

例えば、こんなケースを想像してみてください。

あなたの高校では、物理・化学の教師が爽やかなイケメン教師で
教え方がめちゃめちゃ上手い。

笑顔もすてきでいつもどんな質問にも喜んで答えてくれる。

そのイケメンが「僕の科目が好きになってくれたらうれしいな。」
とか言ったら、特に女性ならその科目は絶対に満点取ろう
と思うんじゃないですか?

その結果、理系に進んだ可能性も多分にあったのでは?

教師が嫌いだった、教え方が下手だったから
その教科が嫌いになり勉強しなくなった。
赤点ばかり取るようになった。

やっぱり自分は文系しかないと思うようになった。

それだけのことじゃないですか?

理系向きかの試金石となる名著

とはいえ、いまさら高校時代に戻ることはできません。

なので、ここで本当にその科目が自分に合わないのか、
向かないのか、嫌いなのかを確認して欲しいのです。

その確認のために読んで欲しい本が2冊あります。

一つは、「化学のドレミファ(黎明書房)」で、

商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。お買い物される際には、必ず商品ページの情報を確認いただきますようお願いいたします。また商品ページが削除された場合は、「最新の情報が表示できませんでした」と表示されます。

 

化学のドレミファ 1 〔新装・改訂〕 / 米山正信 【全集・双書】
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もう一つは、「物理の散歩道(岩波、筑摩書房)」です。

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新物理の散歩道(第1集) [ ロゲルギスト ]
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いずれも理系なら知らない人はいない名著です。

前者については、品切れとなっていますので、
アマゾンや楽天ブックスなので中古品を入手するか、
図書館で借りることになると思います。

もし、これらの本をじっくり読んで、
科学的なモノの見方」に興味が全くわかないようなら
産業翻訳や特許翻訳などの専門性の高い文章を翻訳する仕事には
向いていない可能性があります。

翻訳業界では「専門知識」の有無を問題にするケースがほとんどですが、
実は知識より大切なものは「体系」です。

関連知識を自力で掘り出す力、未知を既知に転換する
探索力こそが重要なのです。

それが自分に備わっているか。本当に自分が文系なのか。
それを判定するための「試金石」となる本ですので、
是非入手して読んでみてください。

これらの本を読んで全く心が動かないとすれば別ですが、
多くの場合はそうじゃないと思います。
文系だと思っていたのは思い込みかも知れません。

科学的なモノの見方

ここでは具体例に沿って、あなたの向き・不向きを判定してみましょう。
ハスの葉はご存じですよね。では、どうやって水をはじいているのか
分かりますか?

図3

最初は誰でもわからないのですから、調べましょう。

1)「はすの葉 水をはじく wiki」でまず検索してみます。

そうすると、ロータス効果という言葉が出てきます。

2)次に、Google検索のサジェスト機能を活用して、
ロータス効果 原理」で検索します。

そうすると、http://nano.willfair.com/article/122285548.htmlに、
図が載ってます。

図2
参照:http://nano.willfair.com/article/122285548.html

どうやらハスの葉の表面が特殊な構造になっていて水滴をはじくようです。

3)では、次に「ハスの葉 表面構造」で調べます。

ここでも、Googleのサジェスト機能を使いました。

そうすると、ヒットしたhttp://www.mech.keio.ac.jp/ja/souzou/proceedings2014/pdf/8-5.pdfから、

「ハスの葉の表面構造には数ミクロン単位の突起物があって、
この表面の凹凸(突起物)によって接触角が180度に近い状態となり、
超撥水構造となる。」と分かります。

4)そこで、次に「接触角」「超撥水構造」について調べます。

このように未知の言葉を芋ずる式に調べていきます。

5)次に、このロータス効果を使った特許を調べてみましょう。

https://www7.j-platpat.inpit.go.jp/tkk/tokujitsu/tkkt/TKKT_GM201_Top.action

にアクセスし、種別=特許公報にチェックし、

キーワード=検索項目で、請求の範囲を選んで、
検索キーワードに「ロータス効果」と入れて「キーワードで検索」
をクリックします。

2016年7月7日時点で6件ヒットしました。

その中の1つ、東レ先端素材株式会社・特許第5470628号
(基材の表面を高疎水性にする、基材の表面処理方法)を見ると、 

「本発明は、基材に高疎水性を付与するために
基材の表面を処理する方法に関する。

さらに詳細には、上記方法は、基板の処理中に、
低い表面エネルギーを有するが異なる鎖長を有する2つの異なる種類の
有機シラン分子の自発的に生じる相分離を利用する。

これらのドメイン(domain)とマトリクス(matrix)構造の高さ差から生じ
相分離され低い表面エネルギーを有する長い有機シラン分子及び
短い有機シラン分子により形成された表面粗度は、

それぞれロータス効果(Lotus effect)の超疎水性を再現する。
このように、上記方法は上記基板を高疎水性とすることができる。」 

図1
参照:https://www7.j-platpat.inpit.go.jp/tkk/tokujitsu/tkkt/TKKT_GM201_Top.action

この内容は文系だと理解不能なのでしょうか?
逆に、理系だと専攻によらずいきなり理解できるものでしょうか。

そこが問題です。

もし、理系だと簡単に理解できるのに、文系だと理解不能だというのなら、
文系は不利あるいは対応不可能ということになります。

けれども、これに関しては

ハスの葉の表面と同じような段差を作る手段として分子の長短の差を
使っている」とだけ理解できれば、残りの専門用語は少しずつ
理解を深めていけば足りる話なのではないでしょうか。

特許はそのアイデアが天から降ってくるワケではありません。
必ず参照にしたアイデア、競合他社の特許が存在します。

今回はたまたま自然界に存在するモノからヒントを得ているわけです。

だから、身の回りの製品や自然現象から「検索スキーム」に留意しながら
特許を読むクセをつけ、同時に類似特許をまとめて読むクセをつければ
特許が読めるようになるのです。

このポイントさえ外さなければ、
文系でも独学でもマスターすることは可能です。

ただし、多くの分野でこの見方(未知を既知にする探索ルートの設定方法)
を集積していくことになるので広範囲に対応できるようになるまでには
時間がかかります。

ついでに言えば、その時間、プロになるまで期間を圧縮する点にこそ、
講座やスクールの存在価値があります。

期間圧縮ができないのなら、
そうした講座やスクールに存在価値はありません。

まとめ

文系だから専門的・技術的な文章の翻訳ができないわけではない
ということがおわかり頂けたかと思います。

問題なのは、内容のキモを見抜く力を身につけること。
森を見て、木を見て、枝を見て、そして葉を見ることです。

一つ一つの葉だけに目を奪われてしまうと、
無限に知識を追い求めることになり、長い年月の果てに
挫折することになってしまいますのでご注意ください。

<追伸>

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英語を使って稼ぐプロというと、
多くの人は「翻訳者」と同じぐらい「通訳者」を
連想するようです。

通訳っていうと、華やかなイメージを抱く英語女子が多そうですが、
果たしてその実態はどうなんでしょうか。

これから、職業として選ぶとしたら通訳と翻訳のどちらがいいでしょうか。

私は、会社員時代に不採算部門を他社に売却する事前準備
としての会議に通訳者として駆り出されたことがあります。

そのときの経験も踏まえ、「通訳者」と「翻訳者」を
いろんな観点から比較してみたいと思います。

通訳と翻訳の比較

収入について

意外かも知れませんが、通訳者の年収は低いです。

ある雑誌に以下のような説明があります。

「1000万円以上の高収入を実現している3人の通訳者は、
1人を除いてキャリア20年以上の大ベテラン。

3人の平均キャリアは19年で、全体の平均10.7年の約2倍。
やはり相応のキャリアを積んでいる人が、高い収入にたどりつくようだ。」
(通訳者・翻訳者になる本 2017、イカロス出版刊、P.67)

また、通訳者をA~Eの5段階で分けた場合、
最上位のAランクで一日あたりの報酬が6~8万円(25年の経験者)
となっています。

もし、年間の稼働率が150日だとして、
1日7万円程度の報酬が得られるAランクの通訳者だとすると
確かに年収が1000万円となります。

これと特許翻訳者と比較してみます。

特許翻訳者の場合、ゼロから初めて3年程度で1000万円に
到達できる可能性がありますから、それに比較して通訳者の場合
同じ1000万円の年収に到達できるまでの年数が長すぎます。

通訳者がそのキャリアの終盤において特許、やっと翻訳者が3年程度で
到達できる可能性がある年収まで到達したとしても、
生涯収入で考えると非常に不利であることは明らかです。

これだけの差がついてしまうと、キャッチアップも不可能です。

下積み期間について

上記雑誌の同じページに、

一日の通訳料金3~4万円の中堅クラスで、
経験が平均7.8年のキャリアとなっています。

この中堅クラスの年収を計算してみましょう。

もし、稼働日数が150日だとすると年収は400~500万円
にしかなりません。

1日あたりの報酬が5万円を超えるのに10年かかるとありますから、
特許翻訳であれば2年程度で到達できる年収700~800万円に
到達するするまでに10年かかることになります。

下積み期間が長すぎます。

しかも、フリーランスとして独立した当初の年収が
平均で200万円強(同書、P.68より)ですから、
この金額なら、会社員の副業翻訳でも簡単に稼げてしまいます。

稼働率について

翻訳の場合は、一定レベルの評価を得た後は、
ひっきりなしに仕事の依頼がやってきますから、
本人が望めば年間を通じて90%以上の安定稼働が見込めます。

処理ワード数とレートがほぼ一定していますから、
結果として毎年の安定収入が見込めます。

しかし、通訳の場合は、現場に行かなければいけません。

移動時間も拘束時間です。ネット経由で会議に参加する方法もありますが
会議が開催されている間、拘束されるという点では同じです。

どれぐらい幅広い議題に対応できるかにもよりますが、
移動の日数も含めて年間200日以上拘束され、
そのうち報酬に計算される日数が年間150日対応だとすると
稼働日数を上げて年収を上げるという作戦は使えそうにありません。

加えて、いきなり会議に参加しても話についていけませんから、
事前に資料を読み込む日数も考慮しなければなりません。

例えば、通訳者として年間300日拘束され、
報酬に計算される日数はその半分の150日ということも考えられます。

レバレッジ的観点から

翻訳であれば、

一度経験した同一分野・類似分野の訳例は、翻訳支援ソフトに
ストックしてその後何度でも再利用することが可能です。

経験する案件が増えれば、訳例も増強されますから
段階的に処理速度を上げていくことができます。
類似案件の経験値も上がれば、品質も安定することになります。

しかし、通訳の場合、

一品料理なのでその経験をそのまま別の仕事に使い回すことはできません。
前回と同じフレーズだから、その部分は録音した音声で済ます、
というわけにはいかないのです。

前提条件の厳しさ

通訳者は「接近戦」で戦う仕事です。

現場の雰囲気の変化を読むスキルも必要ですし
社会経験や対人スキルがあるレベル以上であることが
前提となる場合が多いと思います。

社会経験が乏しい若い人がいきなり通訳の勉強だけ続けても
仕事の確保には結びつかないはずです。

加えて、体力勝負のところもあり、精神面も含めかなり
タフな方でないと安定的な稼働はできません。

前述の通り、わたしはある程度の英語力もあり、
議題となった他社特許の知識もある状態で、
企業売却のための会議の通訳を引き受けました。

それでも、正直二度とやりたくありません。お断りです。
それぐらいキツイ仕事でした。

子育てとの両立

現場に出かける必要がありますし、場合によっては、
泊まりがけの仕事になります。

このような働き方は、出張の多い職場の会社員と同じです。

自宅で仕事がしたい。子育てと両立したい。
そのような働き方を希望して退職した主婦のニーズには全く合いません。

まとめ

収入、仕事の効率、下積み期間、在宅・子育てとの相性など
さまざまな観点から比較して、翻訳者に軍配が上がります。

特に、翻訳メモリによる高速化が可能な特許翻訳に比較すると、
通訳者は生涯収入の点からも非常に不利です。

20年~25年かけて年収1000万円を目指すなら、
特許翻訳者になって経験3年~5年で1000万円を目指すのが
得策と言えるでしょう。

<追伸>

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ある雑誌(稼げる産業翻訳者になる!翻訳力を鍛える本
(イカロスムック、P.94))によれば、

有名な翻訳スクールの4社のうち3社までが「調べ物力」を
翻訳者の必須スキル第1位にしています(残り1社は3位)

では、この「調べ物力」とはどのようなもので、
どう運用されるものなのでしょうか。
具体的な事例を使って説明してみたいと思います。

(さらに…)
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会社員の副業にもいろいろあると思いますが、
私がおススメしたいのは「副業翻訳」です。

その理由を具体的な根拠を示しつつ、
わたしの体験を踏まえてお話しようと思います。

会社員の副業は必須の時代へ

年々厳しくなるサラリーマン人生。一昔前なら大学を出て
それなりの会社に就職したら安泰なんて言われていたのが夢のようです。

国内大手の家電メーカーが海外企業に売却されたり、
絶好調だったハイテク企業で数千人規模のリストラ
実施されることも珍しいことではなくなっています。

半導体業界やパソコン業界のように統廃合がどんどん進み、
たとえ、会社に残れたとしても勤務地変更職種変更
余儀なくされてしまいます。

当然、引っ越しや職場変更に伴う経済的ダメージや
新しい人間関係からくるストレスは増すばかり。

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また、サービス残業の蔓延に加え定期昇給ゼロで、
お小遣いは年々少なくなる一方です。

加えて、年金崩壊に終身雇用崩壊、人工知能の台頭で
仕事そのものが無くなる危険も増しています。

この状況をどうにか打破したい。

将来のリストラに備えたい。

職場でのパワハラ・セクハラで鬱病になって最悪退職することになっても、
家族を守れるように今から備えておきたい。

そのために、もう一つの収入の柱が欲しい。

そんな人には副業翻訳が絶対にお勧めです。
私も副業翻訳で人生が変わりました。
是非、最後までじっくりとお読みください。

なぜ会社員に副業翻訳なのか

最近では、会社員の副業としてネットビジネスも盛んになってきました。

せどり、アフィリエイト、輸入転売など、インターネットを
使って自宅でできるビジネスも増えてきており、実際、
こうしたビジネスから副収入を得ている人も多いと思います。

ただ、こうしたビジネスには落とし穴があります。

それは、お客さんの中に「職場の同僚」や「取引先の人間」が
混ざっているということです。

そこから勤務先の上司や人事にたれ込みがあって、
退職せざるを得なくなったケースも出てきています。

有名なのは小玉歩氏です。

クビになった経緯についてはこの本に詳しく書かれていますので
参考にして頂ければと思いますが、

クビでも年収1億円 (角川フォレスタ) : 小玉 歩 : 本 : Amazon

彼のように、部屋に呼ばれて「副業をやめるか、会社をやめるか
どっちか選べ」と言われて、

「はい、じゃあ会社辞めます」

と言える人はほとんどいないのではないでしょうか。

安定した一流企業の正社員の身分を捨てることには抵抗がある
と思いますし、家族も同意しないでしょう。

彼の場合、その決断を迫られた時に、すでに副業での年収が
1億円近くあったそうなので、

「ここで会社を辞めてもしばらくは生活していけるから大丈夫」

という判断も可能だったのでしょうが、この年収を副業で
たたき出せる人はごく一部でしょう。

小玉氏のケースもそうですが、ネットビジネスには
ブログによる情報発信やメルマガによる読者獲得が必須となります。

アフィリエイトは別として、輸入転売などで商品が売れたときに
商品発送を匿名でやるわけにはいきませんから、その際、
個人情報が漏れるリスクが常につきまとうことになります。

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アフィリエイトは、確かにそのような心配もなく、
無料ブログとアフィリ登録だけで始められることから、
その参入障壁は低いといえますが、

いかんせん、毎月の収入が5000円以上ある人が
5%以下と言われるほど難易度が高いものなのです。

これではもともと低空安定飛行が持ち味のサラリーマンが
リストラや病気などのダウンバーストに見舞われて墜落した場合の
救済策としてはあまりに貧弱といえるのではないでしょうか・・・

では、毎月10万~20万円程度の副収入を「安定的」にかつ
完全匿名」で稼ぎ続ける副業、万が一、会社員の身分を失っても
家族を守れるだけの収入が確保できる副業はないのでしょうか。

あります。それが翻訳なのです。

会社員の身分を確保したまま、ある程度生活にゆとりができる
金額を稼ぎ続け、完全匿名でやれる副業翻訳ですが、
実はこの副業翻訳には、それ以外にも数多くのメリットがあります。

一つ一つ説明していきましょう。

会社員が副業翻訳をするメリット

どこでも稼げる

基本的に在宅で仕事ができます。

土日が休暇の人は、週末に仕事を集中的にこなして稼ぎましょう。
休暇がとれる人は休暇を取って仕事をこなしましょう。

それじゃあ家庭サービスができないだろう、という方は
早寝早起きして出社前のフレッシュな頭で仕事しちゃいましょう。

残業が多いという人は、早寝早起きがオススメです。

通勤時間や昼休み時間を活用するなどして、
とにかく、時間の使い方にシビアになることです。

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働く場所を限定されないのですから、休日に家庭サービスで
出かけたときに、子供をパートナーに預けてスタバで
仕事することだって可能です。

私が知っている人は、出張が多いので、できるだけ単独出張に
してもらい、ホテルで仕事していると言ってました。

バブルがはじけた時、自宅のローン返済のために居酒屋で
バイトしていた中年サラリーマンが、同僚に見つかって
始末書を書かされた・・・

そんな記事をどこかで読んだ記憶がありますが、
翻訳ならそんな心配は一切いりません。

完全引きこもりで任務完了です。
全天候型副業です。

初期投資が小さい

転売ビジネスの場合、とにかく物を仕入れないことには
ビジネスが回らないので、カードの限度額いっぱいまで
商品を購入する必要も出てきますし、

せどりの場合には、仕入れは当然ながら、さらに、
商品の置き場所を確保するためにもう一部屋借りたりといった
それなりの初期投資が必要となります。

けれども、翻訳の場合は、初期投資はパソコンとインターネット環境、
そしてあなたの頭だけです。

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「辞書」や「書籍」もないよりあったほうがいいですし、
「ソフト」も購入したいところですが、
翻訳で稼ぎながら少しずつ揃えていけるところが
副業翻訳の良いところです。

小さく産んで大きく育てる。安定型ビジネスの典型です。

在庫ゼロ

副業翻訳は、仕事の依頼があったときに、依頼された仕事をする
請負型のビジネスです。

飲食業のように、食材を廃棄することもありませんし、
売れ筋の商品を大量に仕入れたけど、ブームが去って不良在庫になり、
タダ同然でたたき売る必要もありません。

不良在庫の悪夢にうなされることが一切ないのです。

副業から専業へ転換しやすい

副業には「会社員を続けながら」という時間的制約が当然ありますが、
専業になるということは、この時間的制約がなくなって、
使える時間が大幅に増えることを意味します。

ですから、副業でこれぐらい稼げているから、専業になったら
年収はこれぐらいになるだろう・・・と予測がしやすいのです。

最悪、脱サラすることになっても、家族に対して
「専業でこれぐらい稼げるから・・・」と安心してもらい易いのです。

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好きなときに好きなだけ仕事ができる

せどり転売の場合、「今月と来月は仕事しません」
とは言えませんよね。

そんなことをしたら、せっかく苦労して集めたお客さんが
どっかに行ってしまいます。いえ、その時だけ逃げられるならまだしも、
普通はライバルに取られて二度と戻ってくることはないのです。

しかし、副業翻訳の場合、事前に「今月は残業が多いから
仕事は休みたい、来月になったらまたお願いします」
と伝えておけば何の問題もありません。

会社で使うスキルとのシナジー効果

会社で英語や、ITスキル、営業力、専門知識、
ドキュメンテーションスキル、プレゼンスキルなどを使う機会がある場合、
こうしたスキルを副業翻訳でも活用することができます。

また、副業翻訳で身につけたスキルを、逆に会社の業務に
活用することもできます。

まさに、一粒で二度オイシイ、win-winの状態です。

副業翻訳を始めたら会社の仕事も面白くなって給料が上がった、
なんて人もいるぐらいです。

リスク回避が可能

親の介護が必要になったので、田舎に帰りたい。
子供がまだ小さくて外に働きに行けないから、自宅で仕事がしたい。

シングルマザーになったから、自活しないといけない。

パートナーの転勤や出産で会社を退職しなければならなくなった。
国際結婚や、海外赴任に帯同するため海外でもできる仕事がしたい。

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このように自分がコントロールできない変化にも、
副業翻訳をマスターしておけば柔軟に対応ができるのです。

まとめ

私が会社員時代に、会社業績の悪化やリストラの波に
見舞われながらも、何とか乗り切ることができたのも、
まさにこの副業翻訳のお蔭です。

不透明な時代です。

会社員を続けながらも、リスクヘッジしたい。

会社にナイショでスキルアップ、収入アップしたい。
ライフサイクルにおける変化にも柔軟に対応できる力を
身につけたいというのは当然です。

そして、そんなあなたにピッタリな副業は「翻訳」だと、
その道を実際に通ってきた経験者の私だからこそ、
自信を持ってそう言えるのです。

<追伸>

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翻訳者になろうとする人なら、巷にどんな辞書が売られているのか
プロの翻訳者がどんな辞書を使っているのか気になると思います。

では、プロが使っている辞書・有名な辞書を一通り揃えれば、
たくさん所有していればプロとしての仕事ができるのでしょうか?

特に、電子辞書が普及した現在、検索テクニックを身につけることが
翻訳者になるためには重要なんだと考えるきらいがあります。

けれども、本当にそうなのでしょうか。

翻訳者は、辞書とどう向き合うべきでしょうか。
辞書に使われるのではなく、本当に辞書を活用するにはどうすればいいのか。

わたしの英語学習の始まりの頃に遡って考えてみたいと思います。

所有している辞書一覧

巷では、「辞書はお金で買える実力だ。」と言われています。

私もこの言葉を信じて、翻訳者を目指した頃からいろんな辞書を
買い集めてきました。揃えてきたのは、現在主流となっている
電子辞書が中心となっています。

下記図1及び図2から、現在どんな辞書を使っているかが
おわかりいただけると思います。

辞書一覧
図1:LogoVista辞書ブラウザから利用可能なマイ辞書一覧

(ロゴビスタ:http://www.logovista.co.jp/LVERP/top/Default.aspxにて購入)

マイ辞書
図2:Logophleから利用可能なマイ辞書一覧

※Logophile:http://dicwizard.jp/logophile/を参照のこと。

学習者向けの辞書から専門用語に関する辞書、国語辞典から用例集まで
幅広く揃えています。

では、これで実力はついたのでしょうか?
お金で実力は買えたといえるのでしょうか。

そう単純な話しではないことは、容易に想像がつくはずです。

辞書を揃えればいいのか?

確かに、知らない用語を調べることが翻訳なら、
辞書が多ければ多いほど有利と言えます。

様々な分野の辞書を取りそろえることで、
知らない用語を調べるパワーがアップしたのですから、
お金で実力がアップしたと言えるでしょう。

けれども、実はそんなに単純な話ではなさそうです。

この問題を考える前提として、

そもそも翻訳とは何か?」を考える必要があります。

翻訳とは、不明な用語を辞書で調べて、その訳語を当てはめる
作業なのでしょうか。

訳語はどこかの辞書には必ず記載されているのでしょうか。

辞書を引くことが翻訳作業の中心部分を占めるのでしょうか。

中高時代の恩師の教え

辞書は引くな!

中学校~高校時代の英語の授業で「分からない言葉は辞書を引いて
調べるように。」との指導を受けた人も多いと思います。

では、辞書は引くものなのでしょうか。

それは当たり前だろう?

分からない言葉は辞書にあたってどういう意味か調べるしか
ないだろうという人も多いと思います。

でも、本当にそうでしょうか。

10代の頃「先生、トップレベルの英語力を身につけるためには
どんな辞書を買えばいいでしょうか?」と聞いたことがあります。

すると先生は、研究社の辞書を持ってきてこう言いました。

「これを読みなさい。」

「引くんじゃない。読むんだ。」

研究社

(参照)Amazon.co.jp: 新英和大辞典 第六版 ― 並装: 竹林 滋: 本

そうです。辞書は引くのではなく、小説のように読むものだと言うのです。

もちろん、忙しい10代に毎回該当箇所を最初から最後まで
読む時間があるわけもないわけですが、重要単語については
該当箇所の説明をできる限り読むように意識しました。

結果、学内でトップになることができました。

それもダントツと言われるようになったのです。
この力は、就職してからも論文や特許を読む基礎力として
役だってくれました。

辞書を引くことが翻訳だと思っていたわたしには、
この「引く」から「読む」への意識変革は衝撃でした。

もっと衝撃だったのは、副業で翻訳を始めた当時、
「辞書は引くものだ、だからPCを使って電子化した用語集を使えば
超高速で翻訳が終わる。」と信じて疑わない翻訳者との出会いでした。

特許翻訳者になる前、産業翻訳者だった頃、用語集を使って
置換作業をする同業者がいました。

そのとき、「用語の意味はコンテクストで変化するのに
一体何を考えているんだろう。」と思ったことがあります。

同じ専門用語でも、分野が違えば訳語は違います。

例えば、elementには、「エレメント、素子、要素、子、ゲート、演算子、
元素、部、部品、器、成分、構成部分、部材、体、因子、単位」などの
使い分けが必要となります。

その人に「専門領域によって使い分けが必要となる場合は
どうするのか。」と聞いたところ、

「機械系、バイオ系、電気系、化学系など専門分野毎の用語集を
用意して使い分ければいい。」と答えました。

これにはあきれました。

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書籍も出している有名な人でしたが、もうこれ以上聞いても無駄だ
と思いました。この方法では、現在の特許明細書のように
様々な分野が混ざっている場合にはとてもじゃないですが、
対応できないのですから。。。

まず想像しろ!

 辞書は、未知の用語についてすべての答えを用意しているわけでは
ありません。

どんなに辞書を買いそろえても、そのコンテクストでぴったりくる
言葉が辞書に載っていないこともあります。

辞書に答えがある、という発想しかない人はどうするのでしょうか。

10代の頃に辞書を読むように指導してくれた教師は、

「辞書を引く前に想像しろ。前後関係から想像しろ。
まず、自分なりに答えを出してから、確認のために辞書を引け。」

と指導していました。これもコンテクスト理解力を鍛える指導法と言えます。

最近になって、ネットで検索してみると、同様の指導を受けた人が
少なからずいたことに気づきました。

ネット起業家で有名なK氏は、その英語メルマガの中で
「推測」することを指導されていました。

また、多くの英語学習者が「辞書は読む」「分からない言葉は推測する」
と言っています。やはり、この勉強方法は間違っていなかったのだな
と思います。

それが、何十年か経って翻訳フリーランスになろうとしたときに
役だったと思います。当時の教師には感謝しています。

まとめ

もちろん辞書はないよりあった方がいいですし、ある程度の数は
揃えておく必要があります。

けれども、辞書に依存してはいけません。
辞書は万能ではないのです。

最近では、電子辞書を使った「高速検索」と「置換作業」を
翻訳だと思っている人もいます。

けれども、コンテクスト理解のために、翻訳者がすべきことは、

辞書を「検索」するためのものではなく、読みものとして捉え、
コンテクストから未知語の意味を「推察」した後に
確認のために辞書にあたる・・・

こんな風に辞書とかかわっていくことなのではないでしょうか?

<追伸>

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翻訳者になるには何時間くらいの勉強が必要でしょうか?

人によって条件が異なるため一概には言えませんが、
講座を数年間運営してきた感触としては、
おおむね1500時間ほどが必要ではないかと思われます。

ただ、その1500時間は、ずっと一定の勾配ではなく
途中に超えるべき大きな山があるのです。

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翻訳者になれる人となれない人を分けるのは
決して「英語力」の差ではなく、

学ぶべき対象を学ぶか、学ばないかという差にすぎないのです。

ではいったい何を学ぶべきなのでしょうか?

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「独学」でプロになることも不可能ではありませんが、
さっさと翻訳学校、翻訳スクールを利用して稼げるようになった方が
生涯賃金を考えると、はるかに得策です。

では、翻訳学校を利用するとして

通学と通信・・・どちらを選んだ方がいいのでしょうか?

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英語は平均以上にできる。いや、むしろ上位レベルの英語力がある。
だから、この英語力を使って自宅で仕事が出来ないか?

そう思う人は恐らくとても多いと思います。

特に、外に働きに出られない小さなお子さんをお持ちの方には
とても魅力的にみえることと思います。

しかし、英語を使って、つまり翻訳者として在宅で稼ぐ
というのは想像以上に難しいです。


というのもこんな理由があるからです。

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「独学でプロの特許翻訳者になれますか?」と聞かれれば、

「はい、なれます」と答えますが、

「それがベストですか?」と聞かれれば
「いいえ・・・」というのが私の答えです。

というのも・・・

独学には講座等を利用する場合と異なる面が多々あるからです

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翻訳者になるために必要な英語力は「英検1級、TOEIC900 点以上」

とよく世間で言われていると思いますが、これって本当でしょうか?

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「IT翻訳者になりたいのですが、どうやって勉強すればいいですか?」
と聞かれることもあるのですが、

「今からIT翻訳なんて目指してちゃダメダメ!」

なぜかって・・・?

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