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翻訳者になりたいけれど、翻訳者になるために
超えなければならないトライアルのハードルは高い。

そう思っている人には、

翻訳チェッカーから始めることをお勧めします。

ただ、注意して欲しいことがいくつかあります。

そもそもずっと翻訳チェッカーのままでいいと思っている人、
翻訳チェッカー専業で終わっていいと思っている人は少ないはずです。

だとすれば、翻訳チェッカーは「手段」であり、
「目的」は翻訳者になることのはずです。

ここを確認しておかないと、翻訳者になりたいあなたにとって
かえって遠回りになってしまいます。

また、翻訳チェッカー業務の「中身」にも注意する必要があります。

キャリアをスタートさせるにあたって、
最初の最初で躓かないように、業界裏事情も含めて
じっくりお話しましょう。

翻訳チェッカーは保険

応募書類を翻訳会社に送付してトライアルが送られてきた。
がんばって翻訳してトライアルを返送したけど不採用だった。
めげずに何社かのトライアルに挑戦したけれども全部ダメだった。

この場合、そのままトライアルだけを延々を続けていても
翻訳者になるのは難しいかも知れません。

なぜなら、今のあなたには何がトライアルで問われているのか、
どこをどう改善すればいいのかが全く見えていない可能性があるからです。

そのような場合は、まずは翻訳チェッカーから初めてみると
いいと思います。翻訳者としてダメであっても、
翻訳チェッカーとして採用されるかも知れません。

場合によっては、いきなり翻訳者としてのデビューを
目指すことが得策とは言えないのです。

 翻訳チェッカーのメリット

翻訳チェッカーの仕事には以下のようなメリットがあります。

翻訳の実ジョブを見られる

こういう会社からこういう特許が出ている。
それを知るだけで、勉強の対象がはっきりします。

実ジョブをある程度経験すると、
その会社のクライアントが見えてきますし、
各クライアントがどのような分野でどのような特許を出願しているか、
出願傾向も分かります。

ということは、勉強すべき素材がはっきり絞り込めるということで、
非常に効率的な勉強ができることになります。

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大学入試で言えば、「赤本」が手に入ったようなものです。

翻訳者(プロ)の仕事を見られる

いま手元にあるチェック対象となっている訳文は、
その翻訳会社のトライアルに合格したプロが処理したものです。

お手本を見ることができるわけです。
翻訳チェッカーとしてお金を頂きながら、お手本を見ることができる。
これは大変オイシイ仕事だと言えるのではないでしょうか。

翻訳者(プロ)のミスパターンが分かる

プロの翻訳者がどんなところで間違えるのか、
プロのミスパターンを確認することができます。

それを整理・分類して自分のデーターベースに格納しておけば、
将来自分が翻訳者になったときにすぐに活用できる秘密兵器にできます。

すでに翻訳者として経験がある方ならおわかり頂けると思いますが、
自分の訳文ミスを自分で見つけることは困難です。

他人の訳文であれば、より客観的視点でチェックできますから、
そのミスに気づきやすいのです。

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そして、他人のミスを客観化することで
自らのノレッジとして取り込むことができます。

講座の受講生にもすでに翻訳者として活躍している人が沢山いますが、
たまには翻訳チェッカーを引き受けることを勧めているのは、
このノレッジの蓄積ができるというメリットからです。

翻訳者になりやすい

当たり前といえば当たり前ですが、とりわけ
翻訳チェッカーの仕事をやっている会社のトライアルの合格率は、
いきなり応募して挑戦する場合より格段に高まります。

クライアントも出願傾向もすでに分かっており、
その実ジョブのミス傾向も分かっているのですから、
合格しやすいのは当然といえば当然です。

目が肥えているわけですから、トライアルに仕込まれた
トラップも見抜きやすくなっているでしょう。

最後になりますが、翻訳者への入り口が広がる
というメリットがあります。

すでに、翻訳チェッカーとして、
翻訳会社との信頼関係が形成された後ですから、

そのチェッカーが翻訳者トライアルに再挑戦させて欲しいと言えば、
ダメだと言われる可能性は小さいはずです。

いきなり応募する場合は、書類選考ではじかれてしまい、
トライアルに挑戦することすらできない場合も考えられますが、
一度チェッカーとして信頼関係を構築した後であれば
そのような門前払いもなくなります。

翻訳チェッカーのデメリット

収入について

まず、翻訳者と比較して収入が少ないということが挙げられますが、
これは、翻訳会社のコスト構造上やむを得ないことです。

翻訳チェッカーに翻訳者と同じ報酬を支払っていたのでは、
コスト競争力が失われてしまいます。

なので、翻訳チェッカーは期間限定でやるべきです。
できれば半年程度、長くても1年以内でしょう。

それ以上、翻訳チェッカーを続けないと翻訳者に
ポジションチェンジできないような場合は、
そもそも翻訳の勉強が足りていない、翻訳スキル不足と思われます。

こういうと、翻訳チェッカーを続けながら翻訳基礎力を
つければいいという人がいるのですがオススメできません。

不安定な収入状態が長く続くことになるからです。

基礎体力部分は、1年程度の集中的トレーニングによって
終わらせるべきです。

名ばかり翻訳チェッカー

次に、これは翻訳チェッカーのデメリットというより、
翻訳チェッカーのカテゴリに入れていいのか疑問の残る業務を
翻訳チェッカー業務と称して長期間続けることから生じるデメリットです。

というのも、世間では翻訳会社のチェック表との対比をさせる仕事を
翻訳チェッカーと呼んでいる場合もあるからです。

このような作業は、翻訳力の向上とは必ずしも結びつきません。

低収入に加えて、ソフトによる自動処理が可能な業務として
遠くない将来、失業してしまうリスクも抱えています。

翻訳チェッカーとしての募集があったとしても、
その内容を精査しないと、翻訳者への道が遠回りになる危険があります。

翻訳者を夢見る夢子さんに、このような人気の無い仕事を
見習いとかチェッカーと称して押しつけ、
安く長期間使い倒す悪徳業者がいないとも限りませんので注意が必要です。

まとめ

このように、いきなり翻訳者を目指すのではなく、
翻訳チェッカーから入って、じっくりと力を蓄えてから
翻訳者を目指すルートもあります。

そのためには、将来翻訳者になるために役立つような
翻訳チェッカー業務であるかどうかをきちんと確認してから、
始められることを強くおススメします。

<追伸>

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