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翻訳者になるには何時間くらいの勉強が必要でしょうか?

人によって条件が異なるため一概には言えませんが、
講座を数年間運営してきた感触としては、
おおむね1500時間ほどが必要ではないかと思われます。

ただ、その1500時間は、ずっと一定の勾配ではなく
途中に超えるべき大きな山があるのです。

時間と習熟度の関係性(学習曲線)

翻訳者になるには、およそ1500時間が必要です。

けれども、それはあくまで「目安」であって、

みなさんが、文系なのか、理系なのか、
英語が得意なのか、不得意なのか、

時間的な余裕があってまとめて勉強できるのか
細切れの時間をつなぎ合わせる必要があるのか
勉強の環境に恵まれているのか、

それとも子育てとの両立やストレスフルな職場との両立が
求められているのか、それらの条件によって
実際に必要となる時間はかなり異なってきます。

そこで、翻訳の学習を始めるにあたって、
ぜひ皆さんに理解しておいていただきたいのが、

時間の経過と、習熟レベルの関係性です。

横軸が「時間」、縦軸が「習熟レベル」を表しています。

【図1】

学習曲線1

学習者が途中でサボらないとすると、時間の経過と共に
「学習量」は右肩上がりに増えますが、

「習熟レベル」は時間の経過に「比例」して
上がっていくものでしょうか?

学習者は、そのように考えていますから、
上記【図1】のようなイメージを持つと思います。

けれども、現実には、下記【図2】の赤線のような経路を経て、
習熟度は上がっていくことになります。

【図2】

学習曲線2

これを「学習曲線」といいます。

挫折の危機が訪れる時

図を見てお分かりのように、初期の段階では
着実に勉強を積み重ねているにもかかわらず横ばい状態で
学習者にはほとんど変化が感じられません。

このように、努力しているのに勉強の成果が感じられない時期を
プラトー」といいます。

このプラトーを経て、必要となる学習時間の後半、
特に残り2~3割となった時点で、急激に習熟度が上昇
学習者自身もレベルアップを実感できる時期がやってきます。

ここがまさに乗り越えるべき大きな山なのです。

そこまで何とか到達できたなら、うっすらではありますが
ゴールが見えているので恐らく最後まで走りきれるはずです。

けれども、夜明け前が一番暗いと言いますが、
赤い曲線が一番変化する時期、すなわち、まさにこれから
急激に実力がアップしようとする手前で挫折してしまう人が
実に多いのです。

【図3】

学習曲線3

つまり、学習者の習熟度に対する「主観」と「客観」差が
マックスになる時点、つまり青の時点で、
心理的に疲労感が最大になり、

こんなに努力しているのにどうして結果がでないんだ、
自分には適性が無いんじゃないか、といった悩みがピークになり
心が折れて、挫折してしまうのです。

プラトーを超えるために

あとどれくらいで上昇に転じるのか・・・

過去の経験から感覚的に分かれば、
挫折する人も減るのではないかと思われますので
もし、あなたが何らかの資格や認定に挑戦したことがあるのなら
その時の経験を参考にしてみてはいかがでしょうか?

【図4】

学習曲線4

これは、ある英検合格者(TOEIC上位者)の勉強時間を示したものです
(出典:http://www.eigo-duke.com/colum/time.html

人によって差が大きいとは思いますが、
英検1級+TOEIC900点取得までに、
およそ3000時間が必要だったことが分かります。

もし、あなたが同じような英語上級者+資格フォルダーなら
その半分の1500時間の長さがどれくらいなのか、
どの程度の努力を要するのか、おそらく感覚的にわかるのでは
ないでしょうか?

さらに【図5】をご覧ください。

学習曲線5

過去に資格試験に挑戦した方には、
こちらのほうが参考になるかも知れません。

いずれにせよ、1500時間というのはそれなりに
まとまった時間の投資になります。

ここで注意していただきたいのは、世間で難関と言われている
資格試験(数千時間を要するもの)を突破できたからといって
簡単にプロの特許翻訳者になれるわけではないということです。

新たにどれくらいの分野を勉強する必要があるかどうかによって
必要とされる学習時間は大きく異なってくるのです。

過信は禁物

そういうと、いや私は英語ができるし理系の知識もあるから
1500時間もかからない、と思われるかも知れません。

しかし、講座運営の経験から言えることが1つあります。

高卒なのか大卒・大学院卒なのか、文系なのか理系なのか、
主婦なのか会社員なのか等に関係なく、

プロの特許翻訳者になるという「出口」を常に意識した学習
一定密度で、一定程度継続した人でなければ決してプロにはなれない、
なれてはいないという現実です。

この点を無視して、まずは初級、次は中級、最後は上級
という風にクラス分けした授業に時間とお金を費やしてみても、
学習レベルが上がることは決してありません

【図6】

学習曲線6

上記のような「階段」は、学習者側の勝手な思い込みに過ぎません。

初級コースを履修したから、S1レベルまで上がった、
中級コースを履修したから、S2レベルだ。
上級コースにいるからS3レベルまで来ている。

それは・・・ただの幻想に過ぎないのです。

まとめ

特許翻訳をマスターするのに要する時間の目安は、
経験則上、およそ1500時間です。

そして、稼げる翻訳者になるためには、
プロの特許翻訳者になるという「出口」を常に意識した学習を
淡々と集中して継続してやる。

これ以外に道はないのです。

<追記>

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