プロの翻訳者になるためには、各翻訳会社のトライアルを突破しなければなりません。
では、どうやったらこの難関とされるトライアルに合格できるのでしょうか。
実は翻訳者が見逃しがちな盲点があるのですが、これを知らないと
何年も無駄な努力を続けることになってしまうので注意が必要です。
目次
翻訳者のトライアルは一発勝負!
翻訳会社としても大切なクライアントからの仕事を任せる以上、優秀な翻訳者だけを選別したいと思うのは当然です。
ということは、公募してきた人が優秀な翻訳者かどうかの選別が書類審査の段階で始まっています。
日本国内で日本人が応募する場合、応募先はその応募書類に必要な情報が含まれていることを期待しています。
日本語で書かれている以上その文章の正確性や読みやすさなども選考対象となっていると考えられます。
つまり、この書類審査の段階で不合格となる可能性ももあるわけです。書類審査の段階で不合格となった場合には、
応募書類送付後にトライアル受験が許可されることはありません。つまり、トライアル課題文は送付されません。
トライアル課題文が送られてきたら、トライアル問題へ挑戦します。そのチャンスは1回限りというのが鉄則で、
何度もやり直し・再提出を認めてくれることはありません。同じ会社のトライアルを再度受験したい場合には、
通常1年程度の期間を空けるところが多いようです。
ですから、できなかった箇所だけやり直して最終的に合格ラインを超えたら合格判定してくれる、なんて
優しい翻訳会社は聞いたことがありません。もちろん、一定期間(1~2年)経過後に再受験を可としている
翻訳会社もありますが、前回のトライアルとは問題が異なりますから、前回の試験問題をそのまま参考に
できることはまずありません。
つまり、「赤本」のような翻訳会社毎の対策資料集が存在しないのですが、このことは考えればみれば当然です。
各翻訳会社は、メインとなる顧客も違えば得意分野も異なりますし、顧客や分野も時代と共に変化するのですから、
一度トライアルに合格すれば、時代を超えてどの翻訳会社も安心して採用できるような試験制度はありません。
ですから、どの翻訳会社も、担当者が自らチェックして納得の上で翻訳者を選別したいのです。
また、昔と異なり、トライアル問題送付から返送まで、短い期間が設定されたり、場合により日数ではなく
XX時間以内に返送、といった時間指定に変わってきたりしています。
※赤本とは各大学・各各部別の大学入試過去問集のことで、教学社(https://akahon.net/)から発行されています。
トライアルなんて自宅で挑戦するのだから、ネットも書籍も見放題、時間無制限だからちょっと準備すれば大丈夫
などと甘く考えてはいけません。
トライアルはクセモノがいっぱい
加えて、トライアル問題には各社各様のクセがあります。プロになった後であれば、
「ああ、ここはひっかけだな」
「ここは意地が悪いな」
というクセの分析(見切り)が出来るのですが、これからトライアルを突破しようとする初心者には
なかなかそれを見ぬくことはできません。ですから、何回もいろんな翻訳会社のトライアルに挑戦しては、
不合格を重ねているうちに心が折れてしまう人が続出するのです。
トライアルを何回か経験すればそのうち慣れてきて、パターンも見えてくれば自然と合格できるだろう、
といった甘い考えは通用しないのです。
スクールで扱っているような「素直な文章」だけが載っているテキストで、一般的な型や約束事を学んでも、
トライアルに埋め込まれたトラップを見ぬくことは困難であって、公開特許にあるミスを自力で発見し、
自力で修正できるぐらいの力がなければトライアル突破は難しいといえます。
本当のトライアルはトライアルに合格してから
合格後に始まる値踏み
え?どういう意味?と思われたかと思いますが、いわゆるトライアルに合格しただけでは、
プロの特許翻訳者として認知されず、その実力は、品質を維持しつつ納期を厳守する実ジョブにおいて試されます。
つまり、翻訳会社に登録されても、最初は比較的短い(ワード数の少ない)案件を何件か処理させ値踏みされます。
そして、翻訳会社が提供した資料(スタイルガイド、関連資料等)をちゃんと読み込んでいるか、
それらに準拠した仕事ができているか、 また、メールのやりとり等から、ビジネスパートナーとして
今後お付き合いを続けていくのにふさわしい翻訳者なのか等もチェックされるのです。
トライアル代行サービスの出現
一昔前まではそこまで厳しくなかったのですが、「トライアル代行」サービスを使って
トライアルを突破しようとする人が増えてきたため、翻訳会社も慎重になってきているのです。
トライアル代行とはどういうものかというと、プロの翻訳者にお金を払ってトライアルを代行してもらい、
実力不足でもトライアルだけは通過させるサービスです。
このようなサービスの存在がどうしてバレてしまったかというと、トライアルの結果だけを見ると
「極めて優秀」な翻訳者だと思われるのに、実ジョブをやらせると「ガタガタ」(品質に難あり)になる人が
増えてきたため、業界でもこのサービスの存在が知られることとなったのです。
ですから、トライアルに合格した人に、いきなり大ボリュームの案件を任すことはしなくなりました。
お試し期間(その人が本当に優秀かどうか、実ジョブを通じて判定する期間)を設けるようになったのです。
もちろん、このようなお試しを全ての翻訳会社が導入しているわけではありませんが、
相手はまだまだあなたの実力を疑っていますので、このお試し期間にミス(特に、誤訳などの致命的なミス)を
繰り返すようだと確実に切られます。もう、仕事の依頼は決して来ないと思った方がいいです。
まとめ
このように翻訳者になるためのトライアルには、一発勝負であることや、
各社各様のクセのある問題にうまく対応できるかどうかという特有の難しさがあります。
また、たとえトライアルに合格させたとしても、翻訳会社はまだあなたを疑いの目で見ており、
本当のトライアルは、登録後の実ジョブを使ってなされるのだということを決して忘れず仕事に取り組んで下さい。
これらを全てクリアして初めて、継続的に仕事を受注できる「プロの翻訳者」としてのキャリアが
スタートできるのですから。
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