「独学でプロの特許翻訳者になれますか?」と聞かれれば、
「はい、なれます」と答えますが、
「それがベストですか?」と聞かれれば
「いいえ・・・」というのが私の答えです。
というのも・・・
独学には講座等を利用する場合と異なる面が多々あるからです
目次
独学のメリット・デメリット
メリット
独学でプロになるメリットは、
何と言ってもお金がかからないことです。
翻訳者に「なりたい」とは思っているけれど、
金銭的に余裕がないから、講座の受講料が捻出できそうにない・・・
そういう方には、ものすごく魅力的な話しだと思います。
デメリット
独学は、試行錯誤しながらゴールに向かうイメージなので
勉強時間が長期に及ぶ可能性が高くなります。
仮に、合理的で密度の高い勉強をすれば1年でプロになれるような人でも
独学の場合には、その期間が3~5年、場合によっては7~8年に
延びる危険があるのです。
確かに、自分で答えを求め、自力でやり抜いた時の達成感は
大きいものがありますが、所要時間という点から見れば
明らかに遠回りです。
このように、
独学は「プロになるまで」に「支出する費用」(数十万)は
確かに節約できるのですが、
「数年早くプロになっていれば得られたであろう利益(逸失利益)」
は最低でも数百万以上逃しているといえ、トータルで見れば
明らかにマイナスになっていると思います。
独学が向く人・向かない人
独学には、向く人と、向かない人に分かれるのですが、
それを判断する基準は何かというと、
「あなたが過去に行ってきた勉強スタイル」と「時間的余裕」です。
過去の勉強スタイル
もしあなたが、一人で問題解決することに喜びを見いだし
「試行錯誤」を楽しめるタイプ
すなわち、
失敗をいとわない、むしろ失敗を楽しめる、
失敗から自ら学ぶことができて、そこから次の一手を考えることができる。
そういうタイプなら、独学でも結果を出すことができると思います。
しかし、逆に一人では孤独を感じて不安になってしまって
勉強がはかどらなかったという経験がある方なら、
ここは無理せずに成功者に導いてもらったが良いと思います。
時間的余裕
独学は、試行錯誤が必要な勉強スタイルですから、
ある程度の勉強時間が確保できることが大前提です。
ですから、
安定した大手企業の社員で、平日の夜や土日にしっかりと
勉強時間が確保できる方なら、3~5年計画も可能でしょうし、
それもいいと思います。
しかし、そこまでしっかり自分の勉強時間を確保できない方には
独学はあまりお勧めできないスタイルと言えます。
筆者のおすすめ
独学でプロの特許翻訳者になることはできますし、
実際に、私は翻訳学校を一切利用せずに独学でプロになっています。
しかし、だからといってそれを他の人にも薦めるか?
といえばまた別の話で、
以下の理由から、私は「翻訳講座」等の合理的な方法を積極的に利用して
短期間で結果を出して、さっさと次のステップに移行した方がいいと思います。
社会環境の激変
社会が安定していた時代、日本人のほとんどが総中流意識を持ち、
給与もポストも右肩上がりだった時代なら、数年かけてゆっくりと
目標達成するのもありだと思います。
しかし、今の日本は、雇用関係が激変し、年功序列を前提として
年収が毎年上がることを前提とした人生設計はできませんし、
不安定かつ低賃金の非正規雇用も増えています。
したがって、このような変化の激しい時代においては、
時間をかけて独学でプロの特許翻訳者になるよりも、
さっさと使えるものは使ってプロになった方がいいと思います。
独学で守備範囲を広げることの困難さ
プロの特許翻訳者になったら、毎回違うタイプの明細書に
取り組む必要があります。
例えば、
いくら自分の得意分野がXXXです、と言っても、
自分の得意分野の依頼だけがくることはまずあり得ませんし、
XXXに似たXXYだけでなく、XYYやYYYという案件にも
取り組む必要が出てきます。
さらに、見たこともないようなAXYといった案件も依頼される
可能性もありますから、
それら全てを「できない」と断ってしまうと
守備範囲がぐっと狭くなり、受注件数が減りますから、
年間通じての稼働率は低下して、結果として年収は下がってしまいます。
ですから、たとえば、年収1000万円をある程度余裕を持って
安定的に稼げるようになるには、全力疾走した場合に
年収1500万円稼げる力なり守備範囲が必要となるのです。
また、翻訳文の品質を維持しつつ翻訳速度を上げていくためにも
自分の得意分野を「横展開」させて、多少不得意な分野をも守備範囲に
加えていく必要があるのですが、
私の経験上、それらをすべて独学で可能にしていくのは、
正直かなりハードルが高いのです。
講座やスクールを選ぶ際の選択基準
では、講座やスクールを積極的に利用していくとして、
どのような基準で選べばいいかというと、
「目標達成までの時間をどれくらい短縮できるか」
のみで判断すべきであり、
「勉強友達ができる」「情報収集ができる」等のメリットは、
あくまで二次的なものだと捉えるべきです。
そして、正しい判断をするためにも、
講座主催者の言い分だけで判断せずに、
受講生の意見や、卒業生の実績などを自分で分析し、
全受講生のうち、どれぐらい割合の人がプロになれたのか
という「歩留り」から判断すべきだと思います。
確かに、これをなかなか外部から測り知ることは
難しいかもしれませんが、
仮に「プロの実績あり」とされていたとしても、
受講生100人のうち、たった1人しかプロになれていないとしたら
その講座の「成功の再現性」に疑いありになってしまうからです。
まとめ
独学のメリット・デメリット・向き・不向きについて
いろいろとお伝えしてきましたが、もしもあなたが、
1)過去の自分の勉強スタイルから一人で勉強することが辛くない、
むしろ、一人で悩み試行錯誤することを楽しめるタイプで、
2)ある程度の年数がかかることが覚悟でき、それが許される
経済的・精神的余裕があるなら
独学でプロの特許翻訳者になれると思います。
私自身は、特許翻訳者になろうと思った時、
「ここで勉強すれば大丈夫!」と感じられる講座がなかったので
独学でプロになる道を選びましたが
仮に私が、今これから特許翻訳の勉強を始めようとしているとして、
「これだ!」と思える講座があったとしたら、
100%利用すると断言します。
独学で勉強しようなんて馬鹿なマネは絶対にしません。
そりゃ、独学だってやれますよ。
やれますけど・・・もっと早くプロになれる道があるのに
無駄に時間がかかって遠回りだなんてもったいないじゃないですか。
さっさと特許翻訳なんかマスターして稼いで、
次のステージに行った方が絶対いいと思います。
だって、人生短いんですから。
この他にも「翻訳者になるために」役立つ情報をお送りしています。
よろしければ、メルマガにご登録ください(筆者)
私が講師を務めている「レバレッジ特許翻訳講座で、
どのような講義をやっているのか見てみたい」
という声にお応えして、「講座の動画30本」を無料でプレゼントする
キャンペーンを行っていますので、ぜひ下記をクリックしてご利用下さい。
(必須事項はピンクのお名前とメアドだけで、あとは任意ですので
差し支えない範囲でご記入下さい)