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親を含む周囲の人間関係からのすり込みによって、
「大学を出たら会社に就職する」という方がほとんどですし、
その選択に疑問を抱く人はごくわずかだと思います。

しかし、学生時代から準備して、20代でフリーランスという
働き方の選択肢を持つと人生は大きく違って見えます。

今回は、大学時代から特許翻訳の勉強をすることの価値について
お話ししたいと思います。

翻訳者vs会社員の収入面の考察

下記の図1は、平成26年度分・民間給与実態統計調査
(国税庁 長官官房 企画課)調査結果報告001.pdf
P18に掲載されている「年齢階層別の平均給与」です。

以下、この図を元にしてお話していきましょう。

20160718-1
(図1)

現在、日本の財政状況の悪化に呼応して、
年金受給開始年齢がどんどん遅くなっています。

政府も65歳受給開始を前提として、民間企業の雇用延長を
求めていますが、現状は思い通りには進んでいません。

民間企業も厳しいビジネス環境での生き残りをかけて
コストダウンを図っています。

従って、従来の定年である60歳以降にたとえ雇用延長があったとしても、
それは嘱託など雇用形態の変更を前提としたものが多く、
その年収も定年前の3分の1あるいは4分の1での再雇用
といった会社が多いのです。

図2を見てみてください。

20160718-2
(図2)

年収の上昇カーブが、50代半ばから低下し始めることが
お分かり頂けると思います。更に細かくみていくと、
図3の青丸で示したように

20160718-3
(図3)

定年前(55~60歳)で賃金調整と見られる年収低下も見られます。

会社員として生活していくということは、
おおむねこの年収を前提として、結婚、出産、育児、マイホーム購入
教育、病気などのライフイベント・アクシデントに対応することになります。

翻訳者と会社員の生涯年収

では、フリーランスの場合はどうなるのか、
比較してみたいと思います。

両者が同等と言えるには

フリーランスの場合、会社員ならではの恩恵とは無縁です。

健康保険、失業給付、社補助、有給休暇などは存在しませんから、
会社員の年収より高い収入があって始めて同水準となります。

会社員の場合は源泉徴収であるのに対して、
フリーランスの場合は経費処理できる部分もあり
この点は確かに有利ですが、逆にフリーランスの収入には
不安定という弱点もあり、どこをどれだけ勘案するかによって
大きく違いが出てしまいます。

そこで、ここでは稼働率がほぼ同じという前提で、
概ね年収で1.5倍稼いでいれば同等レベルの生活ができる
いう前提でお話ししたいと思います。

比較する具体的な年収金額

下記の図3でお分かりのように、会社員の年収のピーク値は
50~54歳で656万円です。

20160718-3

その1.5倍だと984万円・・・

私が主催している特許翻訳講座ではプロになってから
3年程度で年収1000万円を目指していることから、
会社員のピーク相当額である年収1000万円を
翻訳者として稼いだケースで比較してみたいと思います。

詳細な検討(一般論)

では、どの段階で1000万円に到達できるでしょうか?

大学を22歳で卒業して3年間の勉強期間を経て4年目から、
すなわち26~27歳でこの年収に到達できます。

そうすると図4のようなラインとなります。
(緑色の横線は1000万円の高さを示します)

20160718-4
(図4)

1000万円で横一線となっている理由は、
収入が安定した後は、効率化によって生まれた時間を
別のビジネスの準備のために振り向ける戦略を
講座でもお勧めしているためです。

フリーランスは60歳定年がありませんから、
健康を維持できれば80歳での稼働も可能ですが、
会社員が嘱託などの身分で70歳まで稼働できた場合と比較するために、
フリーランスも同じ70歳で引退するものとします。

すると、会社員とフリーランスの生涯収入の見かけ上の差は、
下記の図5の緑の横線と赤線との間の「黄色の斜線部分」の面積で表されます。

20160718-5
(図5)

しかしながら、前述のように、フリーランスの年収は
会社員の年収の「1.5倍で同等」であるという前提で見直すと、
図6の「赤い斜線部分」が実質的な生涯収入の差となります。

20160718-6
(図6)

このことから、会社員の年収が上がりきるまで、
どれだけ早い時期に年収を上げて安定させることができるかが、
生涯年収レベルで大きな差を生むことがおわかりいただけると思います。

これができれば、50代後半から年収が低下し、
60歳以降は年収が激変する会社員と比較して、
翻訳者は生涯収入レベルで大きな差をつけることが可能となります。

詳細な検討(女性の場合)

さらに、着目して欲しいのは女性の年収ラインとの差です。

女性の場合、結婚、出産、子育て、配偶者の転勤等のために、
キャリアが断絶され、職場復帰できるのはアラフォーになってから
ということも少なくありません。

この時、「正社員」として復帰できる人はごくわずかですし、
それが可能な場合であっても、「時短勤務」などによって
本来の正社員なら稼げていたはずの年収レベルに戻るのは難しいのが現状です。

正社員に復帰できず、非正規雇用にとどまれば、
さらに不利な状況に陥りますので、結果、生涯を通じて
年収は200万円台に押さえ込まれています。

ですから、フリーランスとして安定的に稼げた場合との差は、
女性の場合、非常に大きなものとなります。

図7の「ピンクの斜線部分」が女性の場合のフリーランスとの
生涯年収の差となります。

20160718-7
(図7)

このように、フリーランスとして早期に安定稼働できた20代女性は、
その後、非常に有利であることがおわかりいただけると思います。

加えて、フリーランスには大きなメリットがあります。

それを次にお話しましょう。

翻訳フリーランスのメリット

上でも少しお話しましたが、この不透明な時代では、
複数のマネタイズの柱を確保することが絶対に必要です。

そのためには、できるだけ時間を余らせて、その余った時間で
次のビジネスの仕込みをする必要があるのですが、
会社員の場合、この点でも非常に不利です。

昨今、ブラック企業が有名になったこともあり、
企業も表だって副業禁止とは言っていません。

しかし、職場の現状はリストラが進み、人手不足となり、
残業前提の業務分担となっている場合はほとんどです。

同じ職場にいて、毎日定時に帰って副業に勤しんでいたら
すぐに職場の同僚に感づかれて人事にたれ込まれて
各種不利益扱いされるのがオチです。

事実、多くの日本企業では社員に余裕を与えない労務環境になっています。

わたしの主催している講座でも、40代~50代の
働き盛りの会社員の方に受講して頂くことがありますが、
最初の頃の勢いを最後まで持続していただける方はあまり多くない
というのが実情です。

厳しい会社環境の下、残業が終わってへとへとになってから
深夜又は早朝に時間を確保して勉強を続けるには、
超人的な精神力が求められますから、仕方のないことかも知れません。

会社員には、時間的にも金銭的にも新しいことを始める余裕がないのです。

学生時代に特許翻訳を勉強する意味

従って、このような厳しい労働環境に入る前に、
女性であれば婚活・結婚・子育ての長いトンネルに入る前に、
新しい武器を手に入れていただきたいのです。

そして、そのための準備期間としては、学生時代は、
最大にして最後のチャンスといえるのです。

事実、少しずつではありますが、講座へのお問い合わせの中に
学生の方が増えている傾向が見られます。
相当、感度が高い方であるといえるでしょう。

周囲に流されて、親を安心させるためにとりあえず会社員となり、
ブラック企業で鬱病にされ、退職し、体調が戻っても
さらに別のブラック企業へと漂流し、

結果、再起不能となるまで精神を壊され貧困に沈んだりする前に、
「フリーランス」という選択肢もあることを知っておくことは
とても大切なことだと思います。

そして、それができる環境にあるなら、あるいは、
できるだけその環境をつくって、勉強を始めて欲しいと思います。

資本主義の世の中では、選択肢を持たない人は非常に不利な立場に
置かれます。だって、選択肢がないということは、
相手の言いなりになるしかないのですから。

まとめ

学生時代に「特許翻訳」という武器を手に入れておけば、
会社員の「副業」として仕事をすることもできますし、

仮に会社を退職しても、スムーズに「フリーランス」に
移行できますから、収入の心配がありません。
さらに、生涯年収の面から考えても非常に有利です。

特に、女性の場合は、年収レベルを大幅にアップできますし、

配偶者の収入に依存する必要がなくなるので
自由な生き方を選ぶことができ、人生のQOLを上げることが
きっとできるはずです。

<追伸>

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