IT翻訳者の年収・収入を聞いたら、絶対なろうと思わないはず

「IT翻訳者になりたいのですが、どうやって勉強すれば

いいですか?」と聞かれることもあるのですが、

 

「今からIT翻訳なんて目指してちゃダメダメ!」

なぜかって・・・?

 

IT翻訳って、実は「レートの低下」「難易度の上昇」「短納期

という三重苦を抱えているのですが、私自身、それがどうにも

耐えられなくて、既に別の分野へと脱出済みだからです。

 

 

 

IT翻訳とは

 

 

IT翻訳とは、IT・コンピュータに関連する文書の翻訳であって、
産業翻訳・技術翻訳の一分野を指すことが多いのですが、
実務翻訳と同義で使われることもあり,若干言葉の使い方に
混乱が見られるようです。

 

インターネットの検索でも、「産業翻訳」「実務翻訳」「技術翻訳」

などよりも「IT翻訳」のヒット数が多いのは、普段の生活の中で、

技術=ITというイメージが強いためかも知れません。

 

「絵本翻訳」や「文芸翻訳」との対比で「IT翻訳」という言葉が

使われることもあるので、ここではいわゆる「実務翻訳全般」と

同義で「IT翻訳」という言葉を使っていきたいと思います。

 

 

IT翻訳の対象としては、このようなマニュアルや仕様書を

イメージする人が多いと思いますが、

 

 

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実際にはもっと広範囲で、企業案内やプレスリリース、WEBコンテンツ、

事業計画書、各種報告書に加え、海外工場での社長の訓示を

翻訳して欲しいという「とんでも案件」がやってくることもあります。

 

 

また、ソフトウェアのローカライズの場合、最新ソフト(アプリ)を

自宅のPCにインストールして操作しながら翻訳するというケースもあります。

 

 

 

IT翻訳の過去の栄光

 

IT翻訳は、その黎明期においては「美味しい仕事」でした。

ソフトのマニュアルを翻訳するにしても、「クリックする」「操作する」

「送る」などの簡単なコマンドの翻訳が中心でした。

 

正直、そんなバカでもできる言葉の置き換えだけで

年収1000万円という人がごろごろいました。

 

レート30円とかですから、処理量がそれなりでもこれぐらいは稼げますよね。

 これがホントの「バカでも年収1000万円」です。

 

 

 

IT翻訳の現状と問題点 

 

収入面について

 

そのような状況が長く続くはずもなく、そういう簡単な翻訳案件は

発展途上国の安い労働力を使って処理するのが主流にとなり、

機械翻訳ソフトで処理するケースも多くなりました。

 

このように、機械翻訳ソフトで下訳を作成し、ポストエディット

と呼ばれる安い仕事しか国内のIT翻訳者に回ってこなくなった結果、

生活が維持できない人も増えてきました。

 

おそらく収入は主婦のパート(内職仕事)というレベルまで

落ち込んでいると思われます。

 

さらに、収入の問題に加えて、

 

あなたという「新規参入者」に、こうした「機械の食い散らかした後始末」

が割り当てられてしまうことで、一生翻訳力が上がらないまま

機械の手下にされてしまうリスク」がありますし、

 

 

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加えて、人工知能の進化より「真っ先に失業するリスク」も

抱えることになるのです。

 

 

私も、現在の特許翻訳に参入する前(10年以上前ですが)は、

英文和訳の案件で1ワード20円という案件を受けていましたから、

まだまだIT翻訳の古き良き時代だったと言えると思います。

 

ところが、その後、IT翻訳のレートは、

15円→12円→10円→7円→5円→2円と悪化の一途をたどりました。

 

 

数年前だったか、レート1円か2円だけどインドに移住すれば

十分生活できるでしょ、みたいな案件が回ってきたときは、

もう終わったと思いました(苦笑)。

 

 

私が参入したレート20円の時代、あるいはそれ以前のレート

30円時代から生き残っているIT翻訳者ももちろんいらっしゃる

とは思いますが、

 

結局のところ、コピーライティング、副業での翻訳スクールの講師業など

多角経営で生き残りを模索しているのが正直なところではないかと思います。

 

 

 

難易度について

 

このような収入の低下に反して、IT翻訳の難易度は実は上がってきているのです。

 

というのも、

 

簡単な案件は、海外の安い労働力や機械翻訳ソフトに

社内で翻訳できるものは、社内で・・・という流れになってきているので、

外の翻訳者に回ってくる仕事はというと、当然難易度の高いものとなります。

 

 

このような翻訳の「内製化」が進んだ理由の1つには

仕事を依頼する側の社員の英語レベルが向上したことがあげられます。

 

新入社員で「英検一級+TOEIC満点です」という文系女子も

珍しくなくなってきて、こういう英語女子に業務として

IT翻訳を任せるケースも増えてきているのです。

 

それ以外にも、翻訳の内製化には、

翻訳してほしい人と、実際に翻訳する人との距離が近いため

フィードバックがかかりやすい(現場に出向いて担当者に質問しやすい)

というメリットもあるようです。

 

 

 

納期について

 

収入の低下、難易度の上昇に加えて、IT翻訳は短納期のものが多く

とにかくスピードが求められます。

 

さらに、次の仕事に備えたり、自分のステップアップのためにも

本当なら手の空いた時間に専門知識を習得しておく必要があるのですが、

レートが低下したことで

 

→大量に仕事を受けなければならない

→もともと納期がキツイ

→働きづめになる

→時間的余裕がない

→専門知識を得る時間などないという悪循環に陥り、

 

さらに、仕事の内容も、ポストエディットなどモチベーションの上がらない

面白くない案件が増えるなどの理由から、多くのベテランからも

敬遠されているというのが現実なのです。

 

 

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まとめ

 

このように、

 

IT翻訳は「安い・キツイ・難しい」という三重苦を抱え

確かに一定数の需要は見込めるとは思いますが、

とても人にすすめられる仕事ではなくなってきているのです。

 

ですから、

 

「これからIT翻訳(実務翻訳、産業翻訳)?」

「いやいや・・悪いことは言わないからやめた方がイイよ」

 

そう言いたいのです。

 

 

 

そうは言っても、翻訳者になりたい!

 

という方もおられると思いますので、その方々におススメしたい分野が、

IT翻訳から私自身も移行した「特許翻訳」です。

 

 

特許翻訳というだけで難しいイメージがありますが、

実はここだけの話・・・産業翻訳より簡単なのです。

 

難しそうなイメージだけで遠ざけて、食わず嫌いをしていると損をしますよ。

 

「特許翻訳がどうして簡単なのか?」

「特許翻訳のどういう点がおススメなのか」

 

については、また別の記事でお話したいと思いますので、お楽しみに。

 

 

<追伸>

 

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